3月28・29・30・31日
三月はぬたという食、春泥が汚れるごとき葱が甘くて(黒木三千代)
今日は日中、春の嵐があつた。春の天気は乱れやすく、予報も難しい。しかし昨日からあたたかくなり、季節が確かに進んだ感じがする。ぬたは東日本でも食べるのだらうか?田楽や和菓子も春の季語である。味覚の春。
信濃路はいつ春にならむ夕づく日入りてしまらく黄なる空の色(島木赤彦)
一昨日ぐらいから春らしくなつて、気持ちも明るい。しかし、信濃路や奥飛騨、北陸、東北などの人々はまだ自然の厳しさを感じてゐるかもしれない。大震災から一年以上経つたが、復興は遅々としてゐる。しかし厳しさと隣り合はせの美しさもある。
怒るべきものを怒れといにしへの金剛力士像一つ立つ(窪田章一郎)
私の折々の歌、一年、春の訪れとともに穏やかに幕を閉じやうとしてゐたのに消費税法案を巡つて政局が急に緊迫してきた。しかし国民の暮らしも復興も置きざりである。我が国の市民はもつと怒るべきものを怒れ。混沌としてきた春。
春の野のうらわか草に親しみていとおほどかに恋もなりぬる(与謝野晶子)
私の折々の歌、昨年4月1日から丸一年間続けることが出来た。正直なところ、我が国も海外も大乱世だと思ふ。しかし、それでも春は巡つてきて、私たちもおほどか、おほらかな気持ちになつてゐる。一年間ありがたうございました。
私の折々の歌、体調や忙しさのため欠けているところもあるのですが、何とか一年間続けることが出来ました。
読んで下さる方のおかげです。本当にありがとうございました。
欠けているところを補うのは日記などを使ってやりたいと思っています。
この一年間は東日本大震災から我が国を再建していく一年間でした。しかし我が国も海外もかってない混迷の中にあります。
その中で日本の美を見つめるため敢えて歴史的仮名遣いで書くことも貫きました。
明後日からは平成24年度の私の折々の歌がスタートします。
私のライフワークとして選んでいきます。
我が国にはこんなに素晴らしい詩歌、文学がある。そんな思いで千古に恥じぬ詩歌の宝石を選びました。
明後日からまた新しい旅が始まります。そちらもどうぞよろしくお願いします。