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3月4・5・6日
かきくらしなほふるさとの雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり(宮内卿)
昨日はあたたかい春日だつたが、今日は冷え込み、雨が降つてゐる。もつと寒い土地では雪も降つてゐるかもしれない。しかし、春は確実に近づいてゐる。来週、東日本大震災から一周年となる。復興も着実に進んで欲しい。
水あふれいて啓蟄の最上川(森澄雄)
今日は啓蟄。東北はいざ知らず、西日本は荒天。一日雨模様である。しかし水は自然に命を与へ、育てる。俗に言ふやうにひと雨ごとに春が近づいてくる。街は静かに雨に閉ざされてゐる。
大いなる春陰の海うねりつぐ(川島彷徨子)
ちよつと天気の悪い日が続く。それを日本古来の季節感では春陰と表現した。今週末、東日本大震災から一年を迎へるため、報道特別番組が多い。また殺伐としたニユウスも多い。だが、希望を失はず、生きていきたい。