佐保は豪運
初めて書いたのでいろいろ許してください。
毎日コンビニ弁当ほぼ詐欺生活4日目
俺の名前は佐保。
山田ハウスの一員だ。
現在、俺は「限界まで同じコンビニ弁当を食べ続ける生活」という、山田ハウスの企画の真っ最中である。
――そして今日は、その4日目。
山田ハウスの拠点から実家へ帰る途中、ハンドルを握りながらスマホをチラ見する。
「やっぱり運転しながらの競艇も悪くないなぁ……」
画面には締め切り間際のレース。
「2-3-5だぞ……2-3-5……2-3-5に2万円賭けてるぞ……」
そして――
(実況)『2-3-5で決まりました!』
「よっしゃあああ!! 帯いったんじゃね!? 帯いったんじゃね!?」
結果はオッズ51.2倍。
「うわー、もう少し張っとけばよかったわー……まぁまぁ当たったしいっか」
軽くため息をつきながらも、頬は緩む。
「明日、新しく“一週間で20万円使い切る生活”とか提案しようかなー」
完全に調子に乗っていた。
――圧倒的勝利。
俺は愛用のアイコスを取り出し、一服する。
「ふぅ……良かったー。入金、2000円のつもりが20000円になってたしな」
――イッ、イッ、イッ。
車内に、俺特有の気持ち独特な笑い声が響く。
「……あぁ、なんか寒気してきた。気をつけて帰ろ」
そのときだった。
前方――反対車線。
猛スピードで突っ込んでくるトラックが見えた。
「は?」
一瞬で理解が追いつかない。
左はガソリンスタンド。右は民家。
逃げ場が、ない。
その状況を、なぜか俺はこう例えていた。
(これ……パチンコでグールのラッキートリガー入る確率くらいじゃね……?)
――そんなことを考えた一瞬が、致命的だった。
ハンドルを切ろうとした瞬間。
目の前には、もうトラックがあった。
そして――
衝突。
視界が、白に弾けた。
* * *
――気がつくと。
そこは、真っ白な空間だった。
「……は?」
周囲には何もない。
ただ一人、見慣れた顔がこちらを見ていた。
「あんた……ヒロック?」
そう声をかけると――
「シュワッチ、って誰がヒロックじゃい」
意味不明な返答が返ってきた。
よく見ると、そこにいたのは“濃い毛”だった。
「佐保。215連勤やし一旦休め、異世界とか興味ある?」
「は?」
「あっ、もちろん元の世界にも戻れるから安心してなー」
……これはアレだ。
事故で頭がイカれたやつだ。
そう判断した俺は、適当に答える。
「……賭け事があるなら興味あるよー」
すると、そいつは満足そうに頷いた。
「OK、じゃあ飛ばすねー」
軽いノリでとんでもないことを言う。
「あーあと“ギフデット”つけといたし。元の世界に戻る呪文は――
【柔らか気持ちいい最高】。
異世界に来る呪文は――
『人のお金でギャンブルがしたい』な」
「いやちょっと待――」
言い終わる前に。
強烈な眩暈が襲ってきた。
視界が歪む。
意識が沈む。
そして――
完全な闇に包まれた。




