91ヴァニタス王に寄生しているリガキス
うぐっ!なんだ?何かがおかしい。頭の中がズキズキ痛い。
いや、これは‥ヴァニタス王ではなく私の身体が攻撃されたからか?
もしかしてセリの仕業か?
こいつやっぱり早く殺すべきだな。
ったく。私の思い通りにならないヴァニタス王にはイライラする。
私が思い通りに出来ていればこんなに手間はかからなかったのに!
魔呪獣の血液が必要だとか、赤ん坊を助けて欲しいなどと、はっ、反吐が出る!
どうせ、おまえらは私の思い通りに動くようになるんだ。
さあ、後少しでヴァニタス王の脳を完全に簒奪出来るんだからな。
見てろよ。
これからは私達の天下がやって来るんだ。
ドラゴンを制圧したら今度は獣人や人間を貪りつくしてやろう。
そのためにはヴァニタス王を完全に支配しなければ!!
私はリガキスのいわばボス的存在。長い間私たちはただの虫けらだった。
だが、私達に転機が訪れた。
ドラゴンが私達を駆除するために魔呪獣の血液を使い始めたのが始まりだ。
最初はたくさんの仲間がその血液のせいで死んで行った。だが、突然変異で私が生まれた。
ただの虫けらだった私は生まれながらにして特別な力を持っていたらしい。
やがて私は知能を持ち私が繁殖させたリガキスは私が指示を出せば命令を聞く事が出来ると気づいた。
だが、それが何の役に立つと思っていたがある時思ったがある時思いついた。
ドラゴンの王であるヴァニタスに寄生して我が子を増やして行けばヴァニタス王を操ることが出来るのではないかと思ったのだ。
まずは、王妃の体内に寄生することを目指した。
ヴァニタス王にはたくさんの繁殖目的の女ドラゴンがいたが、王妃と一番睦みあうことが多かったからだ。
だが、そこからが大変だった。
何しろ私ときたら一番下っ端のようなドラゴンに寄生していたからだ。
とにかく仲間のドラゴンに片っ端から寄生を繰り返し王妃にそしてやっとヴァニタス王に寄生した。
ほんとに、ここまで長かった。
その代わり私が寄生したドラゴンには私の命令を聞く子供たちも増やせた。
私はすぐに卵を産み付けヴァニタス王の体内でリガキスを繁殖させた。
そしてヴァニタス王の脳に辿り着き王の思考を少し操れるようになったのが半年ほど前だった。
当時のヴァニタス王は、魔呪獣の血液を使って精力的に私達リガキスの駆除を行っていた。
半年ほど前彼の脳内で指令を出してみた。
ヴァニタス王は私の指令を聞いて魔呪獣の血液を採らないように命令を出した。
まあ、彼が指示を出しているわけではない。ヴァニタス王を操っている私がそうさせているのだ。
リガキスがたくさん寄生しておかしくなったドラゴンはヴァニタス王の能力を使って水晶玉の中に入れた。
何をするかって?あのドラゴンを使って他国に攻め入るんだ。暴れ回るドラゴンにか弱い人間はどうしようもなくて私にひれ伏すはずだ。
ああ、考えるだけでも愉快だ。
それから、妊娠した王妃にもリガキスの駆除をやめさせた。
でも、王妃が産んだ卵には大量の私の子供がいる。心配はいらないだろう。
だが、王妃の方はリガキスが大量に繁殖して臓腑がめちゃめちゃになっていた。
そのせいで大出血を起こして死んだ。これは計算違いだったがまあ仕方がない。
ヴァニタス王は酷く悲しみ落ち込んだ。
いいざまだ!
だが、いまだヴァニタス王を完全に操れているわけではなく、ヴァニタス王が正気な時もあって思ったように行かなくてジレンマに陥る。
それで赤ん坊ドラゴンのリガキスを駆除などという、セリにあんな事をさせてしまった訳だ。
おまけにここに残らせると言う大失態を。
あいつに私の仲間を浄化されてはたまらない。
一刻も早くセリを何とかしないと。
私の仲間を寄生させてなどそんな悠長な事はしてはいられない。
ヴァニタス王を操ってセリを殺さなければならない。
そう思ってパンに毒を仕込ませたのに、セリはパンが嫌いなのか?まったくパンを口にしようとしなかった。
こうなったら部屋に連れて行って首を絞めて、いや、魔法を使ってもいいだろう。
何しろヴァニタス王の魔力はちょっと力を籠めるだけで人間など呆気なく死んでしまうだろうからな。
そう思ってセリの気を失わせた。
後は私の部屋でゆっくり調理するか。
まあ、その前に楽しませてもらってもいいか?
ヴァニタス王の中に入ったおかげで私も快楽と言う感覚を知った。
世の中にこんな気持ちのいい事があるとは知らなかったからな。
私は気を失ったセリをひょいと抱き上げ部屋に急いだ。
ベッドの上にセリを下ろす。
私は脳内を活性化させて体内を興奮状態にしようと試みた。
ところが‥うん?何だ?おかしいな。どうして反応しない。
もうすでにかなり脳内を侵食しているはずでヴァニタス王の動きを操れるはずだが?
いや、さっきまで抑制出来なかっただろう?あまり過信するべきではないか。
そんな事を思っていると突然脳内に激しい痛みが生じた。
「くっ!頭が痛い!クッソ‥」
私は、というよりヴァニタス王は頭を抱え込み床を転げまわる。
そのうち思考が停止し意識を失った。




