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日常の奇妙な短編集。

カニカマ

作者: 三春星秋

俺は東京の至るところにアートを描く。才能のある男だ。

「カニカマ」という字をビルの壁やトイレの中とかいろんな場所にとにかく描いた。


最近はSNSで有名になって色んな人が真似をするようになった。

でも、どれも俺の劣化版にすぎない。

細い字だし、尖っているし、こんなにカラフルじゃないし腹が立つ。


これは俺のアートで作品なんだよ。許せなかった。

だから俺は模倣している奴の絵を消すことにした。


これほど気持ちいい事はないだろう。手間暇かけて描きあげたものを消していく作業。


俺は落書きを消すことが趣味となった。

趣味に飽き足らず、仕事になった。


数々の偽物の「カニカマ」を消していく。


「先輩、この丸い字、いつもと違いますよね?」

「ああ、そうだな」


そう言って俺は大人になった。

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