王族直系の秘密
「キース、キリトにも先程注意したが……何故、他のお前の王の剣達も認識阻害を掛けておる?アスタリウス王国の国王や、妾の義理娘も同じく掛けておるな?」
白銀の長い髪を背に流し、白いドレスを着た美しい女性は玉座に座ると、隣に立つ男性から宝玉が先端に埋め込まれたステッキを受け取り足を組む。
キーチェスカ・フォン・ジャスティス。
歴代最高の頭脳と功績を持ち、学生時代から【銀の女王】と呼ばれた才女にして本来の女王。
「恐れながら女王陛下、愚かな罪人共に妙な勘繰りをされたら不愉快でしたので、私達は認識阻害を自らに掛けて姿を偽装していました」
お父様は苦笑して言うと、認識阻害魔術を解いた。
現れたお父様達の姿は、二十代と変わらない若々しい姿だったの。
これには、私達も少し驚いて目を見張ったわ。
「キサラよ、我が国とアウストラウス王国の初代は……魔族と天使だった。直系は皆、二十代を迎えた時点で年を取らなくなり、数百年は不老不死として生きるのだ。血が薄い愚か者や、キサラを愚弄した者は限り無く人間に近しい。人間と同じく老いていく運命よ。まぁ、側妃ローラとか言った女は、卑しい女だからな。誰の子供を王子に仕立て上げたかも、厳しい詮議と拷問にて白状するであろう」
楽しそうにお婆様は私にネタバラシを教えて下さった。
「知りませんでしたわ、お父様達にも今まで聞いたことありませんでした。……数百年ですか……ふふ、なら私が人間ごときの爆弾魔術を喰らったとしても死にませんでしたのね」
「爆弾魔術の威力は分からぬが、直系血族ならば、時間を掛けずとも再生しただろうな」
私が言うと、お婆様は楽しそうに答える。
私の王の剣達はびっくりして固まるけど、死なないと分かっていれば十年間待った意味が無意味だわ。
思わず私は、お父様達を睨み付ける。
「済まない、屑達に直系の秘密を知られる訳には行かなかったのだ」
素直にお父様は私に謝罪した。
「再生したとしても、貴女に傷痕が残る可能性もあったの。嫁入り前の貴女の将来を考えると容認できなかったのよ」
お母様は母親としての立場で、私に正論を述べる。
「……お母様の考えは分かりましたわ、ですが……私は王族に連なる姫としての立場で皆の足枷には成りたくなかったのもまた事実、そこはご理解下さい」
毅然とした態度で私はお母様に答えた。
「ふふ、流石は私の娘ね」
「屑とは違って覚悟も備わっておるわ」
お母様とお婆様は微笑み合う。




