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僕の真実の愛

僕は会場まで急いだ。


会場につくと、アイスダンスの優勝者インタビューが行われていた。観客たちは、優勝者に拍手を送っていた。その会場にいたすべての人々が彼らに視線を注いでいた。


「今回、日本アイスダンスカップル史上初のグランプリシリーズ優勝を果たしました一ノ瀬井上組です。優勝おめでとうございます。」


優勝したのは、りさたちのカップルだった。僕はその場で涙をこらえることができなかった。


「一ノ瀬選手は、怪我でオリンピック欠場からのシングルから転向して望んだ今回の大会でした。今の率直な想いをお聞かせください。」


アナウンサーがリサにマイクを向けた。彼女の前には、多くのカメラ。ここにいる観客たちが彼女の声に集中した。


「今回この大会で優勝することができ、仲間たちに一歩近づけたのではないかと思うと、嬉しいです。」


彼女の表情には、一瞬たりとも曇りを感じなかった。


彼女は、オリンピック出場を2度逃している。

1度目は、枠が2つに限られてしまった。ことによるもの。2度目は、自分自身の怪我によるものだった。

2度目のオリンピック後、彼女は自分を責め続けていた。それでも彼女は諦めず、リハビリを続け、シングルとしての復活を願い努力をし続けた。


しかし、怪我の影響により、以前のようにクリーンなジャンプを飛ぶことができなくなってしまった。彼女の持ち味は、正確なジャンプだった。そのジャンプを飛べなくなってしまったのも、彼女を苦しめてしまった。


そしてこれまで幼少期の頃からずっと一緒に練習してきた僕がオリンピック2連覇を果たし、青木が世界選手権で銅メダルを獲得したことで仲間たちに置いていかれたようなそんな気がしていたそうだ。


だが、彼女は大きな一方踏み出し、アイスダンスと言う新たなジャンルに挑戦することを決意した。そして今回がその第一歩の試合だったそんな試合で彼女は優勝することができたのだ。彼女の4年後への挑戦は始まったばかりだ。


「りさおめでとう」

「ありがとう」

「井上くん、おめでとうございます。」

「ありがとうございます」


インタビューを終えた2人に選手たちが祝福の声をかける。そして皆が花などの贈り物を渡す。2人は、感謝の気持ちを伝える。


そして、僕もその輪に入り、リサに花を渡す。


「リサ…優勝おめでとう。」


「ありがとう。舞斗も優勝おめでとね。」


彼女は僕の両肩に手を添えた。彼女は心の底から幸せそうな表情を浮かべていた。彼女のこんな表情を見たのはいつぶりだろうか。僕が1度目のオリンピックで優勝する前の頃だっただろうか。


僕はリサの周りを囲む大勢の人々に圧倒され、その場を後にした。


鬼頭コーチも彼女に祝福の言葉をかけているのが遠くからも確認することができた。


「リサ、おめでとう。夢への第一歩だね。」


彼女は何とも言えない表情を浮かべながら、我が子のように彼女を抱きしめた。


「プレゼントいっぱいもらったね。」


リサの視界がプレゼントで埋め尽くされていた。それを見ていたコーチが彼女の腕の中に収まっていた。それを半分受け取った。その中にあった3本のバラが、彼女の目に止まった。


「誰だ?リサに薔薇を渡したやつは?しかも3本じゃねーか。」


「え?私薔薇なんてもらったけ?いっぱい貰いすぎて気づいてなかった。赤い花って誰だっけ?…ってあ!」


リサは何かを思い出したように、コーチに残りのプレゼントを全部お渡し、どこかへと走り去っていった。」


リサが施設内の廊下をくまなく探す。彼女の足にはスケート靴、うまく走ることができない。彼女は必死に彼を探した。


会場内にある自動販売機の前に見たことのある影。180センチほどの長身に長い手足、まるでバレリーナのような華奢な体型、彼だ。


そう思った。ありさは大声で彼の名を呼びかけた。


「舞斗!」


彼女の大きな声は、その場にいた。皆が振り返るほどだった。


「おう。リサ、どうしたんだよ?」


「どうしたんだよじゃないわよ。こんなものをさりげなく渡すんじゃないわよ。」


彼女は乱れた息を整えながら、必死に彼に訴えかけた。


「ごめんって。」


彼は照れ臭そうに彼女に謝った。


「薔薇の花、3本の花言葉知ってる?」


彼は彼女にそう尋ねた。


「知らないよ…」


本当は彼女はバラ3本の花言葉の意味を知っていたが、わざと知らないふりをした。今日の彼はなぜか私に本当の気持ちを言ってくれるのではないか。そんな気がしたからだ。


「愛しています。これからもずっと僕のそばにいて欲しい。」


彼がそう言うと、私は泣き出していた。これまでの彼との日々を思い出し、その全てが報われたような、そんな瞬間だった。


「遅すぎるよ。」


「ごめん。」


「私も舞斗のこと愛してる。」


私たちは、抱きしめ合う。 


僕は人を信じることができないとずっと思っていた僕はそんなトラウマから脱却し、彼女に告白することができた。そして彼女とこれからの人生、ずっと一緒に歩むとここに誓ったのだった。

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