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僕たちのすれ違いの終着点

「私別に何も聞いてないから」


 彼女は、言葉とは裏腹に目が泳いでいた。


「彼女は、今日は、インタビューで来てただけだよ。あと彼女とは付き合っていないんだよ。今も昔も」


「でも腕組んでたじゃない?どうせ嘘なんでしょ。別れたっていうのも。分かってるんだから。舞斗は、肝心なことを何も言ってくれない」


「それはこっちの台詞だよ!」


 田中から彼女がアイスダンスを始めたことを聞いたばかりだった僕は、思わず言い返してしまった。


「は?どういうこと?」


彼女は、もう怒りを隠すことをやめた様だった。


「何か言いたいことがあるんだったら言ってよ」


ここまで来たら言うしかない。


「アイスダンス…はじめたことなんで言ってくれなかったんだよ。」


「なんでそれ…」


「田中から聞いたんだ。俺はリサに全てのことを話してるし、俺の全てをリサは、知ってると思ってた。でもリサは、俺に何も言ってくれないだろ?」


僕は、話し始めると、今言わなくても良いことが口からポロポロと出て来てしまった。


「この間言い合いになったから言い出せなかったの。私ずっと不安だった。舞斗の気持ちが分からなかった。だからあなたに彼女がいると知った時、立ち直れない程落ち込んだ。」


彼女も僕の勢いに乗せられ、心の内に秘めていた想いをぶつけてきた。


「だからそれは、誤解なんだよ。」


僕の声のボリュームは、段々と大きくなっていき、僕は、平常心を保てなくなっていた。


「舞斗は、いつも私は特別だと言ってくれた。その言葉のせいで私はずっと舞斗を思い続けるしかなかった。でも舞斗は、肝心な言葉を言ってくれなかった。そうでしょ?」


彼女は、確信をつく言葉を言い放った。


「それは…」


僕は、何も言えなくなってしまった。


「言ってくれない理由も分かってる。分かってるつもりだったけど…」


彼女は、次の言葉を発するのも辛そうだった。僕たちの言い合いの終着点は、どこにあるのだろう。


「舞斗!ここにいたの?探したわよ。」


僕たちの言い合いの発端となったあの女が僕を追いかけてきたようだった。


リサは、彼女を見ると、後ろを向いた。


「舞斗、取材始まるから。戻るよ。」


天使モードのあの女が僕の腕を引っ張って連れて行こうとしている。


「リサ…俺行くね。」


「うん。早く行けば。」


リサは、怒り口調で僕に言葉を吐き捨てた。


「またゆっくりな。」


「もう話すことなんて何もないよ」


とうとう彼女は、僕の目さえ見なくなってしまった。


「舞斗!早く行くわよ。」


あずささんが僕を無理矢理連れて行った。


去り際にリサの方を見ると、肩を揺らしていたのが分かった。


彼女は、泣いていたのだった。

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