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彼女とすれ違った理由

「おい!舞斗、これ見たか?」


スケートリンクに到着すると、青木が週刊誌を持っていた。


【佐藤舞斗選手、斉藤あずさと交際か?】


「なんだよ、これ!」


「いや、こっちが聞きたい」


僕は、思わず大声を出していた。


「事実じゃないよな?」


「当たり前だろ?」


「リサ、大丈夫か?」


僕は、この記事が出る前にリサと約束していたのだ。


「もう少し待ってほしい。」


その言葉をリサに伝えたのは、母に去られたトラウマを克服するまで待ってほしかったからだ。


だがこの記事が世間に出てしまった以上、彼女は、誤解するだろう。


「リサ!」


青木の声で彼女もスケートリンクに到着したことに気づいた。


「リサ…」


「お前らで話し合えよ。」


そう言って青木は、この場から去った。


「あの記事は、事実じゃないんだ。」


「どうやって信じればいいの?」


「だよな…」


「舞斗は、待って欲しいって言ったよね?」


僕は、頷くしかない。


「その答えがこれなの?」


「違うんだ。打ち上げの時にタクシーに乗せてあげただけなんだ。信じて欲しい。」


「信じるもなにも私は、舞斗の彼女じゃないし。好きにすれば?」


そう言ってリサも練習へと向かった。


この日からだ。


8歳の頃から分かり合ってきた僕たちの関係が壊れてしまったのは。


この日から4年間ずっとだ。


僕がいつまでも母とのトラウマを克服できないからだ。


彼女に曖昧な態度を取り続けてしまったためだ。


僕は、いつかこのトラウマを克服したい。


彼女に想いを伝えて、誤解を解きたいと願っていた。


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