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私たちがすれ違ったきっかけ

「リサ待てよ。」


僕は、必死に彼女の跡を追った。


「リサ!待てってば。」


陸上選手かのようなスピードで彼女は、駆け抜けて行く。


さすがアスリートだ。


僕は、やっとの思いで彼女の腕を掴んだ。


「なんで追いかけてきたの?」


「彼女は、インタビューで来てただけだよ。」


「私別に何も聞いてないから。」


 僕と女優の桜ノ宮あずさは、僕がオリンピック優勝後の番組で知り合った。


 僕は、彼女のことを芸能人として応援していたし、最初の頃は、共演できることを楽しみにしていた。


そしてリサも僕が彼女のファンであることも知っていた。


 だが僕が人として異性として好きだったのは、変わらずリサだった。


 僕が初めてのオリンピック選考会の前日のことだ。


 僕は、ホテルのロビーにあるベンチに腰掛けながらあまりの緊張に手が震えていたことを昨日の様に覚えている。


 リサは、僕の手を握り、


「舞斗ならできるよ」


そう言ってくれたのだ。


この頃の僕らは、お互い想いあっていることを自覚していたと思う。


あとは、どちらから言い出すかだけだったように思う。


だが僕には、勇気がなかったんだ。


想いを伝えてしまったら必ず別れが来てしまう。


自分が想いを寄せる人が自分の元から去ってしまうことに人一倍怯えていた。


いつまで経ってもあの時のトラウマが付き纏っていたのだ。


だからあの時、僕は、彼女にこう言ったんだ。


「もう少し待っていて欲しい」


「うん。わかった」


彼女は、僕が脳内で考えていること、これまでの出来事の全てを分かった上で返事をしてくれたように思う。


そして望んだオリンピック選考会。


見事僕は、優勝することができた。


だがその後、僕は、彼女を裏切るような行為をしてしまったのだ。


その頃からだろうか。


僕たちがすれ違うようになってしまったのは。

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