一人思考
三題噺もどき―ひゃくよんじゅうろく。
お題:右手・カッターシャツ・わからない
ギラギラとした日差しが、はるか上空から降り注ぐ。
落ちてきたそれは、道路に、壁に、ビルに反射して、そのままの速さで、人間にも反射する。暑いからと肌をむき出しにしている人々の皮膚を、容赦なく貫いてくる。
大量の針でも刺されているんじゃないかと思うぐらいに、ザクザク。ブスブス。痛い、痛い…。
「……」
日差しは、腕にはもちろん。顔にも手のひらにも、そのままの速度で切りかかる。
むき出しにしている方が悪いと言わんばかりに、攻撃してくる。
ほんとに勘弁してほしい。むき出しになっているのは、お前のせいで、夏のせいで、暑さのせいで。それが悪いと言われても、不可抗力だとしか言いようがない。むしろこちらから文句を言いたくなる。
「……」
しっかし、ホントに暑い。まだ7月の末だが…。すでに6月頭ごろから、暑さはひどくなっては居たのだが。 これ、8月に入った途端、さらに暑くなるとか、ないだろうな。これ以上、気温と攻撃性が増してしまうと、迷惑なのだが。
今日ですら、これだ。この状態だ。状態異常だ。
「……」
ジワリと吹き出す汗。全身の水分を根こそぎ奪おうとしているのではないかと思う程に。暑くてカッターシャツの袖をまくっているが、その布の塊の部分なんか…すごい。
もともと汗をかきやすい体質なのだ。今年の夏、生きていけるだろうか…。
本格的に水分不足とかで倒れそうになる前に、何か手を打つべきだろうな。汗かく癖して、水分は取らないからな。
幼い頃に、さんざん言われていた。水を飲め水分を摂れ、そのうち熱中症になる水分不足で倒れる―と。しかし、一度もそんなことが起こらなかったから、なんだか、言われてもなぁ…という感じで、適当にいなしたりしていた。
―水分不足の影響は、全くなかったわけでも、なかったりするが。(水分不足による頭痛は多々あった。が。元々偏頭痛もちで、耐性があったせいで、重くとらえてない)
「……」
あぁ、ダメだ。
暑すぎる…。
我慢の限界というものが人間にはある。動物にもあるのかな?
左手はふさがっているので、開いている右手をどうにか動かし、熱の下がらない顔を仰ぐ。わずかだが、風が吹く。それでも少しは涼めるのだが、手持ちの扇風機とか買っていればよかったのか…?ああいうの、あんまり持ちたくないというか、単に荷物が増えるのを嫌うので、買ってみようとすら思っていなかった。 今は、ヘッドフォンみたいな形で首に引っ掛けるタイプもあると言ってたから(テレビで)、それを今度探しに行くのもありかもしれない。
―できそうだったら、通販で。もう外には出たくないな。
「……」
それじゃ意味なくないか…。
外に出たくないなら、もうそんなもの買う必要性…。
思っているより頭が働いていない感がしてきたな。思考がブレにブレる。
ついさっきまで、暑いことしか考えていなかったのに。それに対してどーとかこーとか。もう少し涼しくしたいとか、汗やばいなーとか…。
―別にいつも通りだった。もともとだ。
「……」
目をぐるりと、周囲に流すと、案外人はいるものだな、と、つくづく思う。
よくもまぁ、こんな暑い中、外に出ようと思うものだ。自ら望んで外に行こうとか言う人は、言える人は、どういう意図をもってそんなことを言うんだか。自分なんかには、分からない感覚だな。
基本引きこもり、インドアを決め込むつもりの自分には。分かりようもない。
そこに、やむにやまれぬ事情があるなら、まだしも。
「……」
今の時代、ありがたいことに、大抵のことは、ネット通販で事が済んでしまう。
室内での遊戯も、いい感じに増えているではないか。様々な種類があって、年代問わず遊べるようなものもあるだろう。
運動不足が気になるなら、そういうゲームでもすればいいだけだ。今やたくさんあるだろう、そんなゲーム。むしろ、室内の涼しい中で、運動した方がいいんじゃないか?熱中症とかにも、悩まされなくて済みそうだ。
「……」
あぁ、しかし、今は、そっちの方が危険なのだったか?
涼しいからと、喉が渇かないからと、水分を摂らずに倒れているという事もあるのだとか。詳しくは知らない。自分は未経験だが。友達の親戚が倒れたことがあったらしい。
「……」
とはいえ、他人も他人の経験談なので、あまり身に染みては来ない。
他人の失敗を聞いて、じゃあ自分も気を付けようとか、心から思えないのは、何なのだろう。意外とそういう人が多かったりするんじゃなかろうか…。
だから、他人と同じ失敗をして。それでようやく身に染みる。―それでも分からないモノも多々あるが。
「……」
暑い。暑すぎる…。
もう手を動かすのも疲れた…。
ほんとによく。こんな暑い中、人がごみごみとするものだ。
室内ですることないから、外に出よう、とか…どういうことだ。
訳が分からん…。
「……」
かく言う私も、特に用事はないのに。
こうして外に出て、連れ出されているのだから。
私は、私が、一番分からない。
というか、どこに行ったアイツら…。