第捌話
ロロとの“決闘”から一週間が経ちロロの体調は以前よりも良くなり一週間の間に彼女は人間としてワンランク上へと上がった。
「全員揃ったな」
「「はい!」」
「は〜い」
ランスロットとグローだけは覇気のある返事を他の人間は眠い目を擦りながらも返事をする
ダンカンはため息を吐きつつもフラリアの紋章を首から下げた飛龍に飛び乗る。
「ほらッ全員乗れ」
飛龍は2匹おり1匹はダンカン達用、もう1匹はランスロット達用だ
全員が飛龍に乗ったことを確認すると声を荒げた
「移動中も気を抜くなよ!空中だからと言って魔物がいない訳じゃ無いからな」
「「はい!」」
飛龍の手綱を引くと巨大な翼を広げ上昇しまったりとした遊覧飛行が始まった。
*
二時間ほど飛行した後は休息のために河川の近くに着陸させ飛龍達を休ませる。
「飛龍さん水美味しい?」
「クルハアアアア」
飛龍とサリエルがじゃれつくのを横目で見つつダンカン達は武器の手入れを始めロロはレオに銃の扱い方を手取り足取り教えてもらっている。
「飲み込み早くないか⁉︎」
「褒めたって良いのよ」
「すごいな〜ロロ〜」
レオはロロの頭を子供のように撫でる
「子供扱いすんな!」
「17は子供ですぅ〜」
「私だて成人してるのよ!」
「つい最近までちょっと魔法が使えるからって慢心してたのは誰かなぁ?」
二人は下らない喧嘩を繰り広げるくらいには仲は良好なものになっている。
こんな、喧嘩を全員が微笑ましく見ているがそんな空間もすぐに崩れ去った。
「クルルルルル!」
飛龍が特殊なキーで鳴き声を上げると空中へ上昇した。
ダンカン達はその事に驚愕したが無数の気配から状況を飲み込み臨戦体制を取る
「総員戦闘準備!」
「「はい!」」
「前方2km先に大猪の大群!」
レオが双眼鏡を覗きながら叫ぶ
「まだ、遠いけどやるしか無いわね」
「ああ」
「イノシシ狩りだぁ♡」
サリエルはダインスレイヴに手をかけると木々を薙ぎ倒しながら向かってくる大猪の群れが見えた
「ヒャハアアアアアアァァァァア!」
サリエルは大群の中に正面から突っ込んだ
ダインスレイヴの包帯が解け漆黒の刀身が露わになり剣を振るう
最大25m以上にもなる巨軀を両断し続け様に横を通った猪の頭部を切り飛ばす。
「アハハハハハハハハハハハッ‼︎」
サリエルはダインスレイヴを無造作に振り回す
それには技などは皆無であり身体能力任せの一方的な暴力
「サリエルちゃんっていつもあんな感じなんですか?」
「「ああ」」「ええ」
「数の暴力を力の暴力でねじ伏せている」
グローはぼやいた
「お〜いサリエル。俺たちの分まで残しておけよ」
「ビュイイイイイイイイィィィィ!」
サリエルが取り逃した大猪がダンカン達に向かってくる。
大猪の突進力は時速160k/hを優に超えるまともに追突されれば内臓が破裂し即死するらしい
ドズンッ!
重厚な破裂音が響き同時に猪が地面に突っ伏す
ロロの対物ライフルによって撃ち抜かれていた。
それに続くようにレオも発砲し大猪の前足に撃ち込み猪を行動不能にしていく
そして、行動不能になった猪をダンカンがハルバードでトドメをさす
#
5分ほどの戦闘を繰り広げた一行は大猪を解体を始めた。
「私もイノシシ解体する」
「そうか、俺も手伝おう」
サリエルはダガーを持ちグローに手伝われながら解体と正しい血抜きの方法、換金出来る部位を教え込む
魔物の解体はどんなに早くても3年程かかるがサリエルはグローの知識と技術を見よう見まねで再現しグローを困惑させた。
可食部や換金の対象となってる部分だけ回収し換金可能だが価値が無い部位に関しては飛龍とメンバーの昼食となった。
食べきれずに残った部位は抗菌作用のある樹木の葉に包み冷凍魔法で急速冷凍を行う。
「簡易保存も完了したし出発するぞ」
ダンカンの号令と共に飛龍は飛び出した
日の入りが始まる午後5時までには中継地点に設定したケオウニウスの街に到着し宿を取り、その日は一時解散となった。
*
ダンカンは町外れのバーで飲んでいた
その横にはランスロットの姿もある
オレンジ色の白熱球が店内をぼんやりとてらし夜の世界を感じさせる
二人は今日仕留めた大猪の肉をマスターに調理してもらい、それをつまみに晩酌を楽しむ。
「ダンカンさん。今回は俺の誘いを受けてもらってありがとうございます」
「構わないよ。これも何かの縁なのかもしれないからね・・・・食事代は私が出そう好きな物を頼むといい」
「お言葉に甘えさせていただきます。えっと・・・・マスターこのグリーンポルネーノを一つ」
「私はブランデーを」
「かしこまりました」
マスターが酒を取りに行く
ランスロットは今まで気になっていたことをダンカンに聞くことにした
「ダンカンさんとサリエルちゃんって、何処で出会ったんですか?」
「聞きたいかい?」
「はい」
注文した酒がテーブルの上に置かれダンカンはブランデーを一口飲む
「・・・・・・ふぅ。サリエルは元捨て子でね。路地裏に捨てられていたところを私が拾ったんだ」
「そのことを本人は」
「もちろん知っているさ。それでも、あの子は私の様な出来損ないを”お父さん“って呼んでくれる。あの子を拾った時のことは今でも鮮明に思い出せる」
「どう・・・・思ったんですか」
ダンカンは葉巻を取り出し火をつけ一服
「・・・・スゥ。一眼見た時は天使か精霊の類かと思ったよ・・・」
「天使ですか?」
「ああ・・・芸術の神が全能力をかけて作ったとしか思えなかったよ」
「確かに滅茶苦茶可愛いですもんね」
「娘はやらんぞ」
「取りませんよ、やだなぁ〜あはははは」