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吸血魔剣と惨殺姫  作者: 失敗した米麹
始まりの章
3/8

第参話


一人と二匹はお互いに睨み合う。

初めて会う敵であるため不用意に突撃するわけには行かず様子見をしている状況だ。

だが、その拮抗はサリエルによって崩れ去る。


「いっくよ!」


サリエルがそう言い放った刹那

ミノタウロス達は余りの速さに動体視力が追いつかずその場に立ち尽くすことしか出来ないと思われたが


「コムスメガ!」


「ナメルナニンゲン!」


二本のハルバードが高速で振り抜かれミノタウロスの強靭な体躯から生み出されるスイングパワーとハルバードから生まれる遠心力がお互いに相乗効果を発生させハルバードの先は時速1225km/hを優に突破し強烈なソニックブームを発生させる。


「ふぇ!?」


サリエルは紙一重でハルバードを躱したがソニックブームを脆に直撃してしまい空中に打ち上げられ二匹目の降ったハルバードがサリエルの体をかち割らんとするが驚異的な身体能力と体の柔らかさを活かし体を錐揉み回転させ回避するがこれもソニックブームの影響で吹き飛ばされてしまいはるか向こうの壁にけたたましい音と砂埃を上げサリエルの姿が見えなくなる。


「シトメタ」


「ミノホドヲシレニンゲン」


ミノタウロスは背を向け持ち場に戻ろうと歩みを進めるが一匹のミノタウロスの胸が貫かれる


「グガァァォァァァァ!」


「シトメタハズジャ!?」


背中から剣を突き刺してぶら下がっているサリエルを狙うようにハルバードが振り下ろされるが瞬時に剣を抜かれそれすらも回避される。

空中で2回転ほどしたサリエルは猫のように着地し服についた砂埃をはたき落としながら水分補給を始める。


「ちょっと!爆発するって聞いてないよ!?」


サリエルはやれやれと言っているような仕草と声色で


「爆発するなら言ってよね〜ビックリするから」


「シネ!」


再びハルバードがサリエルの脳天めがけて振り下ろされるが


「それ・・・・随分と遅いね。そんなんじゃ当んないよ?」


サリエルが消えた。

振り下ろされたハルバードは床に突き刺さり抜けなくなっていた。

だが、サリエルはハルバードの上に立っていた。


「先ずは腕ね」


そう言うと一閃しミノタウロスの両腕が切り落とされる。


「オイラのウデガァァァァァアアアアアアアッ!」


ミノタウロスは仰け反りその場に尻餅をついてしまいサリエルはその隙を逃さずまるで嫐るように斬りつけていく。

全身から血が噴水のように吹き出し耳、鼻、右目、左目、右太腿、左太腿、アキレス腱と徐々に斬りつけていく。

もう一匹のミノタウロスは恐怖で立ちすくんでいた。

目の前にいるいるのは人間だが、鬼のようにも見えたここまで来ると一方的な力の?暴力にしか見えない


「トドメ!」


サリエルはミノタウロスの眉間に深く剣を突き刺すと剣を捻り血をわざと吹き出るように仕向ける。

その部屋にはまるで悪魔の笑い声を彷彿とさせる甲高い声が響き渡る。


「次はア・ナ・タ」


サリエルは血だらけになった顔で腰を抜かしてるミノタウロスの目の前に立つがさっきの奴とは違い首を一撃で吹き飛ばした。


「飽きたから一撃で殺してあげるね♪」


パキッ


「折れた」


サリエルの剣が静かに根本から大破する。

だが、サリエルはそれを気に留める事もなく投げ捨て赤い扉に向かう。


             ✴


「ここには何があるかな」


サリエルは扉を押し開ける中に入る


中は赤色の空に包まれ荒廃した世界に飛ばされていた簡単に言い現すなのならば魔界そのものだ。


「うーん。変なとこ」


そんなことを言いつつもサリエルは何かに導かれるようにその空間の最奥へと歩みを進めていく。

その空間の果にたどり着くまで5分とかからなかったがサリエルの目と鼻の先に台座に突き刺さり鎖で固く巻かれた漆黒の長剣が一つあった。


「よかった~剣が折れちゃったからちょうど欲しかったんだ〜」


如何にも怪しい雰囲気を醸し出している剣をサリエルは怪しむことなく寧ろ嬉々として引き抜こうとするが案の定引き抜けない。


「抜けない・・・・・ぬぬぬぬ!」


サリエルは更に力を込める。

だが、巻き付いている鎖がジャラジャラと音を立てるだけで特に大きな変化は訪れない


『汝・・・我を使いたくば資格を示せ』


「剣が喋った!」


サリエルは剣から手を離し後ろに飛び退く


『我が名は混沌より生み出された5振りの魔剣の一つ【吸血魔剣】ダインスレイヴである。汝、我を使いたくば資格を示せ』


「資格?」


サリエルは不服そうな表情をするとダインスレイヴに聞き返す


『如何にも・・・・小娘よ資格を示せ示せないのであれば殺す!』


サリエルは再び剣を掴むと引き抜こうとするが鎖は取れない


「資格がどうとか難しいことは私には理解できないけど・・・・・一つだけ言えることがあるの。貴方はこれから私の武器(おもちゃ)になるから持ち主は私であって資格なんていらない。黙って私のものになって」


するとダインスレイヴは笑い始める


「ハハハハハッ!資格はないか・・・・・きにいった!」


そう言うとダインスレイヴを繋いでいた鎖は風に吹かれ飛んでいく灰のように消え去り台座から刀身が抜ける。


「貴殿についていくとしよう!名前を教えてくれぬか」


「私はサリエルだよ」


「改めて紹介させてもらおう我は混沌より生み出された5本の魔剣の一つ【吸血魔剣】ダインスレイヴ!千年以上もの間・・・・・貴殿のような。いや、姫のような使用者(マスター)を待っていた」


「じゃあ、よろしくねダイン♪」


今ここに【吸血魔剣】と【惨殺姫】のコンビが誕生した。

だが、この塔はサリエル達を絶対に逃がさないための準備を始めていた。

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