第壱話
新しく書き直した吸血魔剣と惨殺姫をお楽しみください!
ドゴォッ!
薄暗い巨大な部屋に轟音と地響きが反響する
「カハッ!」
一人の少女が壁に叩きつけられ吐血する。
「姫!」
何処からともなく少女を心配する声が響く
暗闇に赤い光が四つ出現するその赤い瞳は少女を捉えている。
それは牛の頭を持ち口から火を吹き四つの腕を持ち漆黒の身体からは筋肉が蒸気を発しながら隆起を続ける。
それは俗に言う"ミノタウロス"と呼ばれる伝説上の生き物だがそれともかけ離れた風貌をしている。
「ふふふふふ・・・・・アハハハハハハ!」
「ひ、姫?」
少女はその顔に薄ら笑いを浮かべながら気味の悪い笑いを発する。
それは悪魔の様な笑いだ。
「久しぶりだよ」
少女の額から大量の生暖かい鮮血が流れ落ち少女の顔と結膜を赤く染め上げる。
少女の視界が徐々に狭まっていく。
「久しぶりとは?」
「私をここまで楽しませてくれる相手は久しぶりだよ☆」
少女は凶悪な笑みを浮かべる。
今の彼女には恐怖心も焦燥や絶望もないそこにあるのは
未知の力に対する【好奇心】
久しぶりの強敵と対峙出来たことによる【興奮】
自分を楽しませてくれるかもしれないと言う【期待】
だけだ
「さぁ、お楽しみはこれからだよ・・・・牛さん」
◆
ドガァン!
木製の大扉が開け放たれ一人の男が投げ込まれる。
「ぶへぇ!」
男はグシャっと言う卵が潰れる様な音を立て間抜けな声を上げてギルドの床に顔面着地する。
「アレがS級指定盗賊団"龍の瞳"の頭であるドグライズか」
「誰もクエストをこなしたんだ?発布から2年間誰もクリアできずにあのS級レギオンである【軍神】でさえも完全クリアが出来なかった依頼を誰が?」
「クソッ!あんな小娘にこの俺が・・・」
ドグライズが立ち上がった。
だが、その足取りは覚束ない足取りだ。
それもそのはず彼はとある人に何本か骨を折られているからだ。
ギルド内に張り詰めた空気が充満する。
とある冒険者は大剣を構えとある冒険者は弓を張っていた。
「まだ、おじさん立てるんだ~」
開け放たれた扉を背に腑抜けた声と共に全身に返り血を浴びて真紅に染まった少女が歩いてくる。
少女の白銀の髪は返り血で所々赤く染まり口元には薄ら笑いが浮かんでおり琥珀色の右目と翡翠色の左目のオッドアイを獲物を目の前にした肉食獣の如く爛々と輝かせる。
だが、その眼光とは対極にある眠たそうな目でドグライズをジッと見つめていた。
「カハッ!俺は・・・・S級指定盗賊団の・・・・頭だ!こんなところで終わってたまるか・・・・」
ドグライズ朦朧とする意識の中で足に魔力を集中させ刹那のスピードで少女に向かって突進するが少女の目の前で直角に方向転換
再び前進する。
ドグライズの顔に笑いが生まれた
それは再び自分にチャンスがやってきたことに対する歓喜の笑みだ。
だが、その笑顔は一瞬で消え失せることになる。
「ッ!?」
彼の背中に凄まじい殺気が集まった。
彼が産まれてから数多くの殺気を向けられたが此処までの濃密な殺気は初めてだった。
彼はほんの一瞬・・・・前へ進む為の一歩を本能的に躊躇い背後を振り返る。
其処には巨大なギルドと先刻までいた少女が居なかった。
その間0.01秒
再びドグライズは走り出そうとしただが、目の前には少女が立っていた。
そして一閃
「バイバイ・・・・おじさん」
彼が最後に聞いた言葉はその一言だった。
◆
「おい・・・・あのドグラスを一撃かよ」
「お前はあの一瞬何が起こったかわかったか?」
「いいえ、急にあの女の子が消えて気付いたらドグラスの頭が宙を舞っていたわ」
「アレが【惨殺姫】のサリエルか・・・・とんでもない奴だ。」
「ふわぁあ・・・・」
白髪の少女・・・・いや、サリエルは欠伸をしながら眠い目を擦ろうとするがギルドの救護班に止められる。
「サリエルちゃん、血の付いた手で目を擦ると細菌が入り込んじゃうから体を洗ってこよっか」
「うん・・・・」
サリエルは救護班の女性に手を引かれながらギルドの中に設営されている大浴場に連れて行かれる。
ドグライズの死体は回収されサリエルに正当な報酬が用意され始めるまで5分とかからなかった。
これが一人の小さな少女サリエルでありまたの名を
【惨殺姫】
◆
大浴場から帰ってきたサリエルは報酬を受け取り拠点にしているホテルに帰還し眠りについた。
~翌日~
サリエルは再びギルドを訪れていた。
だが、彼女は受けていたクエストをクリアしているため次のクエストを受けるためギルドに設営されているクエストボードの前に来ていた。
彼女は食い入るようにクエストを物色しあーでもないこーでもないと折り重なったビラを捲りながら自身の求める心踊るクエストを探す。
「ゴブリン討伐・・・・スライムのコア回どれもつまんないのばっか」
張り出されている物は全て俗に言う初心者クエストと呼ばれる簡単な物でありサリエルの求めているいつ命を落としてもおかしくない高難易度クエストに今日もありつけそうにもなかったが一つの古びたビラが彼女の目に飛び込んできた。
「黒の塔のマッピング及び攻略・・・・」
黒の塔
【魔王】インペリアルが討伐された翌日に突如現れた塔型のダンジョンであり内部は塔とは思えないほど入り組んだ構造になっておりB+~S -の魔物が蔓延っているとの噂があるがその真偽はハッキリしていない。
サリエルの顔に【歓喜】の笑顔が浮かび上がる。
「これやろっと!」
サリエルはボードから勢いよくビラを剥がすと走って受付に提出しに行く。
運悪く受付には誰もいなかったのでサリエルは小さなベルを鳴らし受付嬢を呼ぶ
「お願いしまーす」
はいはーいと言いながら受付嬢が現れ慣れた手つきで今回のクエストに必要な機材やなどなどを用意しサリエルに渡す。
「"黒の塔"のマッピングクエストですね。これがマッピングプレートになります」
「ありがと~」
サリエルは何処か締まらない声で受付嬢から渡された機材を受け取るとそのまま外へと駆け出していく。
さあ、蛇が出るか鬼が出るか・・・・
◆
ギルドから歩くこと30分
サリエルは特殊な補強がされた防壁の門を通過ししばらく歩くと巨大な黒い塔が現れた。
「大きいな~」
門番の兵士たちは口をあんぐりさせサリエルに注目する。
勿論、サリエルのような小さな子供が"黒の塔"のマッピングクエストをやる事に驚いているのもあるがそれ以上にサリエルの不思議な美しさに目を囚われていた。
サリエルは平常時は誰もが認める美少女だ。
身長145センチと言う小柄な体ではあるが程よく発育の進んでいる胸と触っただけで崩れてしまいそうな華奢な体
そのまま宝石を嵌め込んだかと思わせる程に透き通った美しい琥珀色の右目と翡翠色の左目。
最高級シルクとも遜色の無いきめ細やかな肌と白銀の髪を持っている。
その全てに誰もが魅了される。
「さて、行きますか!」
サリエルは塔の扉を押し開け中に入る。
◆
巨大なフロアの中心に全身を黒装束に包み右手には一振りの刀がが握られている。
その足元には八つの頭を持つ大蛇八岐大蛇が見るも無惨な姿で死んでいた。
黒装束の持っている刀は見た目こそごく普通の刀だが鞘から抜かずとも禍々しい気配が染み出している。
「ついに手に入れた【妖刀】村正・・・・」
黒装束は自身の胸に村正を突き刺すと村正は吸収された。
すると黒装束の背中に巨大な黒い菱形の何か一つ姿を現した。
「残る魔剣は五本・・・・【火焔剣】レヴァンティン、【呪剣】ティルヴィング、【龍殺剣】バルムンク、【憤怒の剣】グラム。そして【吸血魔剣】レヴァンティン・・・・」
オタクシリーズも執筆し直しながら連載していきますのでよろしくお願いします!