7.スキルの鑑定
「それじゃあ、鑑定をやってもらえますか?」
「ああ。やりますよ」
母親と父親と男の人がやってきた。
手元には半透明の水晶を持っている。
男の人は水晶を僕の方に近づける。
スッ。
「おお。スキルが3つ」
「すごいですねぇ」
水晶に何か映った。
スキルとか言ってるから、そういうこと?
スキルが見られてるんだね。
「スキルは『身体強化』『回復魔法』。そして『陰陽術』ですね」
「、、、あの、陰陽術って何ですか?私、聞いたことないんですけど」
「え?それを私たちに聞くの?」
「鑑定士さんの知らないことを私が知るわけないでしょ」
「俺も、知らないなぁ」
陰陽術について大人たちが話している。
困ったねぇ。
いきなり怪しいモノを見られちゃった。
こんなことをするとは思ってなかったんだよね。
「しかし、すごいですよ。3つと言うことは、お2人から受け継いだ2つ以外に自力で獲得したという事ですから」
「う、うぅん。それはそうなんだけど。それが、知らないスキルだと、ねぇ」
僕に微妙な視線が向けられる。
この恐怖とも驚きとも喜びとも違う、微妙な気持ちのこもった目。
そんな顔をされたとき、どうすればいいのか?
きまってる。
赤子なんだから、
「あうぅ~」
「「「っ!かわいい」」」
最高の笑顔をプレゼントしてあげれば良いのだ。
どうだ?
かわいいだろう?
「ぬっ!スキルが増えました」
「これは、、、またなんと」
「何?何をうちの子は獲得したの!」
「、、、『魅了』ですね」