1.鮮やかな導入
カチャッ!
「レオン君だったんだね」
「残念だよ」
「、、、僕も残念だよ」
「シーラに武器を突きつけられるなんて」
僕の頭に銃口が向けられた。
この世界には存在しないはずの銃を握っているのは、僕の幼なじみだったはずの少女。
僕は魔法で時間を止め、少女の背後にまわり、肩に触れる。
そして、時間停止が解けると同時に、
「『病の呪い』」
「キャフッ!?、、、ふんっ!」
僕は呪いをかける。
少女は口から血を吐き、その間に銃も破壊するが、すぐに反撃してきた。
僕はそれを魔力で覆った右ストレートのカウンターで返す。
「「ぐはっ!?」」
僕たちはともに血を吐いて後方に吹き飛ぶ。
双方急いで体勢を立て直し、攻撃に転じる。
すでにお互い、幼なじみとしての気持ちはなくなっていた。
僕は腰に差して置いたナイフを抜き、少女に突き出す。
スカッ。
「、、え!?」
「ハハッ。幻覚だよ!」
刺さったかのように見えた僕のナイフが空を切る。
そして、隣から少女の声が聞こえた。
いつのまに?
そう思ったときには僕の身体は吹き飛ばされていた。
「うっ」
僕は頭を木にぶつけ、意識がもうろうとする。
そこに少女が走り寄り、僕にナイフを振り下ろす。
はずだった。
「あ、あれ?」
少女が僕の目の前で倒れ込む。
やっと僕の呪いが効果を発揮したみたい。
危なかった。
・・・。
さて、なぜ僕が幼なじみとこんな命をかけた戦いをしているのか。
それを説明するためには、まず、前世に遡らなければならない。