番外編 《メタイベント》遅刻したホワイトデー‼︎
ホワイトデーのこと、忘れてました☆
【注意】メタイベントなだけあって、メタ発言あります。まぁ、番外編と書いてあるように本編と関係ありませんので、スルーしたい人はスルーしてください‼︎
では、よろしくね☆
「大変っ、申し訳ありませんでした‼︎」
俺の部屋に招待したリジーにバームクーヘンの箱を渡しつつ、土下座する。
いや、ぶっちゃけ(著者が)忘れてたのがいけないと思うんだが(←メタ発言)……まぁ、うん。
ホワイトデーを渡すのが遅くなったのは事実。
俺は大人しく、リジーに謝ることにした。
「…………グラン」
「はい」
「…………なんで謝ってるの?」
「……ホワイトデーのお返しが遅れたからですが?」
「…………ホワイトデー?」
おう?
顔を上げるとそこには、言われるまで気づいてなかったと言わんばかりの顔のリジーさん。
これはまさか……。
「やだわ……ホワイトデーのこと、忘れてた」
「えぇ……」
「いや、だって……本命の男性にあげたことないし。基本、女子同士のチョコレート交換ってバレンタインデーにやるものだから……ホワイトデーの印象が薄れていたというか……」
…………あぁ……なるほど。
え?じゃあ、俺もリジーも忘れてたから〝おあいこ〟じゃね?
いや、だとしても……。
「……遅れたのは事実だから。遅くなってごめん」
「ふふっ、別に気にしなくていいのに」
リジーはクスクス笑って、俺から受け取った箱を開ける。
そして、バームクーヘンを見て、こてんっと首を傾げた。
「ねぇねぇ、グラン?」
「なんだ?」
「バームクーヘンにはどんな意味があるの?」
「…………」
俺はそっと目を逸らす。
ホワイトデーのお返しに意味があるのは、皆さんよくご存知だと思いますが。
…………でも、恥ずかしいから……そこには触れて欲しくないんだけどな?
「マシュマロが〝貴女が嫌いです〟って意味で、クッキーが〝友達のままで〟だったかしら?キャンディーが〝貴女が好き〟……マカロンが〝貴女は大切な人〟という意味だったのよね」
「めっちゃ詳しいなっっっ⁉︎」
「彼氏いない歴=年齢なのに無駄に恋愛相談されてた私を舐めないで。地味に聞かされてるのよ」
一瞬、遠い目をするリジー。
……あぁ……恋する少女達にとってバレンタインデーは一大イベント。
相談役は大変だったんだろうなぁ……。
思わず同情した視線を向けてしまい……その視線に気づいたリジーは、「まぁ、いい思い出よ」と呟いて苦笑する。
そして、次の瞬間には小悪魔めいた笑みを浮かべながら……俺に質問してきた。
「でも、バームクーヘンのは知らないの。教えて?」
「おい、リジー。その顔は意味を知ってるだろ?」
「知らないわ〜。別にグランの口から聞きたいって訳じゃないわ〜」
「そういう訳だろっっっ‼︎」
リジーは可愛らしく首を傾げながら「教えて頂戴?」と言う。
………その仕草に少しムラっときたけど……そんな簡単に言えるか‼︎
〝幸せが長く続きますように〟なんてっ……恥ずかしすぎて、素直に言える訳ないだろっっっ‼︎
「…………うふふっ。グラン、顔が真っ赤だわ」
「うぐっ……」
「バレンタインデーに引き続き、珍しいグランが見れたから揶揄うのはここまでにしてあげる。お返しをありがとう、グラン。私も同じ気持ちよ。大好き」
「…………あぁ」
…………リジーはそう言って、バームクーヘンが入った箱をぎゅうっと抱き締める。
…………まぁ、うん。揶揄われたのは、だいぶ恥ずかしかったが。
リジーも俺と同じことを思ってくれてるって知れたのは、良かったかもしれない。
バレンタインデーに引き続き。
何故か甘酸っぱい感じで、ホワイトデーは終わっていった……。




