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第3話 状況整理しましょう‼︎

 






 取り敢えず、なんか守られる宣言を受けた私は、今後どう動くかをグランと話すことにした。


 魔法の属性とか違うところがあるもんね。

 気をつけないと大変なことになるし。


「なるほど……空間属性とかは転生チート仕様だったのか……」

「うん。だから、グランも光属性だけにした方がいいよ」

「りょーかい」

「ちなみにステは?」

「こんな感じ。ステータスオープン‼︎」


 グランが私にステータス閲覧の許可を出してくれたので、覗かせてもらう。

 ………えぇ、固まりましたよ。




 名前:グランヒルト・ファイ・ディングス

 職業:第一王子

 レベル:46


 体力:6350

 魔力:1100


 物理攻撃:6500

 魔法攻撃:100

 物理防御:150

 魔法防御:140

 速さ:1550

 運:110


 魔法:光属性 無属性 空間魔法

 スキル:言語理解 状態異常耐性 詠唱短縮 攻撃力上昇 空間属性最適性化 狂化 挑発 威圧

 称号:転生者 苦行を乗り越えた者 攻略対象




「何この物理攻撃力極振りしたステータスはっ‼︎」

「あ、称号増えてる」

「私のツッコミは無視っ⁉︎」

「いや、だって俺の戦闘スタイルは攻撃力と速さ振りだし。攻撃が最大の防御で突き進むスタイルだから」

「うわぁ……ゲームだと、グランってオールラウンダー型だったのに……」


 光属性って可もなく、不可もなく微妙な感じだけど回復魔法とかも使えるからバランスは良いんだよね。

 なのに、すっげーわ、これ。

 物理攻撃力がもう訳分からん。

 レベル以上のステータス数値だけど、もう何が正解なのか分からん。

 体力オバケなのは分かるけど、魔法系と防御捨ててる理由が意味不明。

 っーか、気になる点が……。


「空間属性最適性化と狂化が気になる……」

「あぁ、なんか。一番得意な属性がそう表示されるっぽいぞ。魔力消費量がほぼゼロに近くなるとか特典付き」

「え?凄くね?」

「それな」


 あ、もしかして……私のステータスにあった雷属性最適性化ってそれか。

 確かにゲームフリージアも雷属性の使い手だもんね。

 納得だわ。


「後、狂化はちょっと暇だったから魔物の巣で大暴れしたらゲットした」

「それはそれで凄ぇなっ⁉︎」


 思わず男言葉になったよ、うん。

 つまりは狂ったように大暴れして、ゲットしたスキルなんだね。

 ……………恐いわっ‼︎


「いや、このステータスが実際にはどれくらいの戦力なのかが分からなくてさ。ついついレベリング頑張っちゃったんだよね」


 ……あぁ、確かに。

 ゲームによってステータスと振り幅は違うもんね。

 チート特典も相まって、こうなったのか。

 ついでなので、私のステータスもグランに見せてあげる。

 私とグランのステータスがかなり異常だという話をしてあげると……グランは若干、引きながらも話を続けた。


「取り敢えず……暫くは、戦闘パートの心配はしなくて大丈夫か?」

「大丈夫だと思うよー」

「なら、問題はリジーが言ってたシナリオパートの方だな」


 シナリオパートと言っても、普通にヒロインと攻略対象の関わりについてなんだけどね。

 えっと……確か。


「グランルートは、第一王子という重責と我儘婚約者に疲弊していたところをヒロインが寄り添い、救い、愛を育む……的なシナリオだったかな」

「………テンプレ感があるな」

「それな。あ、ちなみにその愛の力で倒すラスボスは魔王だよ」

「テンプレー‼︎」


 グランは大声で叫び頭を抱える。

 自分がそんなのに巻き込まれるのが恥ずかしいみたい。


「うぐ……取り敢えず……俺は第一王子だから、この国から逃げることはできない。国に迷惑かけるし、第二王子派の増長も恐いし、それによって起こる他国との取引が恐い」


 要するに第一王子という立場は中々に雁字搦めらしい。

 泥沼だね‼︎


「そーなると、その乙女ゲームのシナリオに巻き込まれる可能性があるよな?」

「そうだね……でも、それはあくまでも可能性だからなんとも言えないかな」

「大丈夫だ。テンプレは裏切らない。ほぼ100パーセント、ゲームシナリオ通りの展開が起き始めて、最後はざまぁされる系だと思う」

「うっ…、否定できないっ……‼︎」


 グランの言葉には無駄に説得力があって、私も唸ってしまった。

 だって、もう既にテンプレのオンパレードだからな‼︎


「私も公爵家令嬢だから、行方不明とかになったら問題だと思う」

「なら、最終手段として、冒険者として逃げることを視野に入れながら……そのシナリオを乗り越えられるように動いていくか?」

「うん……って、なんか逃げる時はグランも一緒みたいなこと言ってるけど、別に一人でも大丈夫だよ?」

「ばーか。アースドラゴンに誓ったしな。誓いを違える気はねぇよ」


 グランは私の頬を撫でて微笑む。

 その顔はとても優しくて……そして……。



「っーか、そーいう後ろで守ってねって感じの女は嫌いなんだよな」

「………あぁ…うん」



 まぁ、確かにね。

 ヒロインは後方支援特化ですわ。

 回復とか強化とかそーいうの。

 たまーに遠距離魔法攻撃するけど、物理攻撃はもやしだし、攻撃魔法特化キャラに比べると威力もないし。

 っーか、グランさんや。

 貴方の基準は戦闘できるかできないかなのか。


「さてはオメェ、バトルジャンキーだな」

「ふはっ、否定はしねぇよ」


 あぁ、本人からの肯定頂きました。


「ついでにぶっちゃけると、そう簡単に俺の問題に寄り添って支えるとか抜かす女とかウゼェし。バッカみたいな甘ーいシナリオとか嫌だし」

「一応、ハーレムルートはありませんぞ?」

「いや、でも話を聞く限り尻軽だろ。っーか、脳内お花畑?恋に盲目になって、婚約者がいる男に近づくのが意味不明。ゲームの俺も、リジーを捨てるとか考えらんない」


 まぁ、赤ちゃんからこっちの世界に生きてればそう考えるよね。

 婚約だって、王子妃教育ですっごく苦労するだろうし。

 なのに簡単に婚約破棄……殺されたら、笑えないわ。



「だから、俺はリジーを選ぶぞ?」



 クスッ……と大人顔負けの笑みで言うグラン。

 おい、ガキのする顔じゃないぞ。


「………いや、大人になったら好きになる人がいるかもしれないじゃん」

「ところがどっこい。リジーの見た目、俺の好みドンピシャなんだよなぁ〜。話しが合うのも最高だし」

「…………あぅ…」

「そうやって顔が赤くなるのも可愛いし、一々俺のツボにハマるんだよな。ワザと?」

「んな訳あるかっ‼︎」

「だよな。お前、初心そうだし。でも……だからこそ、どうせなら俺好みであるリジーと恋してみたいかな」


 ………えぇ、分かりましたよ。

 私じゃこいつの口に勝てねぇよ。



「そこまで言うなら、私が殺されないように頑張ってね。そうしたら貴方のモノになってあげる」



 だから、そこまで言うなら私も乗ってやりましょう‼︎

 思いっきり微笑んで言ってやったら、グランは顔を真っ赤にして呆然としていた。

 ………ん?どした?


「………やばい…今のはやばい……簡単に男を手玉にとる悪女や……」

「おい」

「あ、頑張ります。というか、そんな風に言われたら頑張るしかないです」

「………あっそ…なんかよく分からないけど……頑張ってくれるなら、よろしくね。私も頑張るけど」


 グランは何度も力強く頷いている。

 今まで話を聞いていたアースドラゴンさんは、楽しそうにケラケラ笑っていた。





 なんか取り敢えずの話はまとまったみたいだし、私が立ち上がろうとしたら、グランが先に立って手を差し出してくれる。

 やべぇ、紳士や‼︎


「リジーは、当分は冒険者活動は続けるつもりか?」

「そのつもりだよ。あ、でもお屋敷抜け出してるから時間はそんなに取れないかも……」

「なら分身魔法を使えば?」

「分身?」

「某忍者漫画の如く、分身がした行動は、分身が消えた時に自分が経験したこととなります」

「凄ぇなっ⁉︎」


 素直に驚いたら、グランも「それな」と頷いた。


「一応、パーティー組んどくか。子供一人で動くの、あそこのギルド、いい顔しないだろ?」

「なーるー。いいよ、パーティー組もう。アースドラゴ……長いからアースでいいや。アースはどうする?」

『ついてくー‼︎』

「おけ」


 このまま、ここに置いて行くことも考えたけどついて来たいならいいかな。

 グランは「アースドラゴンを王都に入れるのはセーフか……?」とちょっと困惑気味だが、最終的には諦めたらしい。

 私達が手を繋いで転移を発動させようとして……私は「あ。」と動きを止めた。

 そうだよ、忘れてた。


「どうした?」

「ツノウサギ、討伐してない……」

「あぁ、初心者向けのクエストか。いいぜ、付き合う」

「さんきゅー」


 グランが簡単に転移をして、森の入り口付近に戻る。






 そこからツノウサギを索敵サーチ&殺戮デストロイして、ホクホク顔で私達はギルドに帰った。








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