第2話 出会いは運命?
皆さん、こんばんは‼︎
いつもお世話になってます‼︎
異世界転生/転移ランキングで29位になりました‼︎ありがとうございます‼︎
今話もよろしくどうぞ‼︎
前回のあらすじ〜。
喋れるっぽかったアースドラゴンさんを問答無用で討伐しました。
「………これ…絶対、やらかしたよね……」
えぇ、顔面蒼白なフリージアちゃんですよ。
話も聞かずに殺すって最低だよね?
あぁぁぁ……良心が痛むぅぅぅ……。
どうすればいいかな?
なんか転生系の魔法あったっけ……?
あ、あったわ。
「《蘇生》‼︎」
聖属性魔法の最上級魔法……蘇生。
パァァァァア……と空から光が差し込み、アースドラゴンさんがいた場所にコロンッ‼︎と小さな卵が出現した。
『レベルアップ。特殊ボーナスにつき、経験値×10で換算します』
へ?
なんか……嫌な声が……。
「ステータスオープン‼︎」
名前:フリージア・ドルッケン
職業:悪役令嬢
レベル:50
体力:530
魔力:5550
物理攻撃:110
魔法攻撃:3000
物理防御:250
魔法防御:4600
速さ:50
運:50
魔法:全属性
スキル:言語理解 詠唱短縮 精度上昇 魔力消費量減少 魔力充填 二重詠唱 雷属性最適性化
称号:転生者 苦行を乗り越えた者 竜殺し
何事ですかねっ⁉︎
レベルアップしたけど……ステータスがもう既に化け物……。
この卵もどうすれば……。
というか、これって蘇生より転生じゃね?
コン…コンコンコンコンッ……‼︎
うわぁー…卵がすっごく揺れてるぅー。
そして、バキンッ‼︎と思いっきり卵が割れた。
…………きゅるん、とした大きな金色の目。
褐色の蛇みたいな見た目と小さな翼。
そして……腕で抱けるぬいぐるみサイズ……。
可愛いぃ……。
『マーマー‼︎』
「う?」
『ママー‼︎だっこー‼︎』
………うぁぁぁぁぁぁあっ‼︎
ごめん、なんか殺してごめんーっ‼︎
私は思いっきりアースドラゴンさんを抱きしめた。
マジで罪悪感がヤバし‼︎
「ごめんなさい、私は貴方のママじゃないですっ‼︎」
『う?』
「貴方をつい倒しちゃって、蘇生させました‼︎」
『しってるー』
「えぅ?」
アースドラゴンさんはケラケラ笑って、擦り寄ってきた。
『まえの、ボクのキオクもあるー。けど、ボクは、ママの子だもーん‼︎』
「………」
『ボク、たおせるぐらいつよいんでしょ?なら、ボクのママー‼︎』
…………あぁ、うん。
知ってる上でママだというならそれでいいか……うん。
そう油断していたからなのだろうか。
いつの間にか……私は背後から、剣を突きつけられていた。
『ママーっ⁉︎』
「………だいじょーぶ」
アースドラゴンさんを安心させるように頬を撫でる。
私はゆっくりと振り返った。
そこにいたのは、私と同じローブを着た人物。
「お前、何者だ」
声の感じからして男の子かな?
身長的には4、5歳くらいっぽそう。
私はにこーっと、幼い子供モードで笑った。
「ぼーけんしゃだよ‼︎」
「……いや。そーいうことじゃないんだけど」
「じゃあ、なにがききたいのー?」
「いや……あの魔力、気にならない方がおかしーだろ?」
「うー?じゃあ、きみはだれー?」
ふははは、3歳児に勝てると思うなよ‼︎
彼は「それもそーか」と頷くと、ローブで隠していた顔を出した。
「ふぇっ⁉︎」
「俺はグラン。おまえは?」
「いやいやいや、なんでっ‼︎」
「は?」
いやいやいや、驚かないでなんていれないから。
無理だから、絶対無理だからっ‼︎
「こんなところに第一王子がいるのっ⁉︎」
攻略対象でもあるグランヒルト・ファイ・ディングス第一王子。
亜麻色の髪に翡翠の瞳を持つ、光魔法を使う……一つ年上の王子。
その人が、今この場にいた。
「……お前、俺のこと知ってるのか?」
王子が警戒するように剣を持つ手に力を込めるが、私はそれどころじゃなかった。
マジで。
「いやいやいや、知らない方がおかしいよ⁉︎だって攻略対象ー……」
「…………こうりゃくたいしょう?」
王子様は私の言葉に怪訝な顔をして、ハッとする。
そして、彼は目をキラキラさせてグイッ‼︎と近づいてきた。
「おい、お前‼︎」
「ふぇ?」
「転生テンプレきたー‼︎とか思ってないかっ⁉︎」
「てんせーてんぷれ……」
そう言われたらいつも思ってるに決まってるじゃないっすか……。
って、ちょい待ち。
「まさかっ……君も⁉︎」
「お前もっ⁉︎」
「「異世界転生してる⁉︎」」
私達はなんか興奮状態になって、「「ふぉぉぉぉ‼︎」」と叫ぶ。
彼……(もう面倒だからグランでいっか)はペタッと地面に座り込んだ。
「いやー。俺以外にも転生者がいてよかったわ」
「私もー。あ、私の名前はフリージアだよ‼︎リジーってよんで」
「よろしく‼︎」
ガシッと握手して、取り敢えず現状把握をすることにした。
まずは先にこの世界が乙女ゲームの世界、又は類似した世界だということ。
まぁ、この世界の情報を知るのが私しかいませんからな。
そして、悪役令嬢フリージアと攻略対象グランヒルトの説明もして……アースドラゴンさんのことも説明した。
あ、余談ですけどフリージアは第一王子の婚約者でした。
つまり、目の前にいる男のですな‼︎
まぁ、今は関係ないけど‼︎
そして、ゲーム時代になかった点も説明しておいた。
ふぅ……疲れんね‼︎
「俺、この世界は、ファンタジーなRPG系だとおもってたのに。ステータスとかあるから……」
「その乙女ゲーム、戦闘パートにも凝ってるからー」
「なーるー」
なんか同じ感性の人と話すの楽だわー。
見た目王子なのに中身が同じ人種だわー。
残念感ぱねぇ‼︎
『ママー。このひと、パパー?』
「「へ?」」
なんて話をしていたら、アースドラゴンさんがぴこぴこ尻尾をバタつかせながら聞いてきた。
「……えっと、なんでそー思ったの?」
『こんやくしゃってケッコンするひとのことでしょー?』
「そのまま何もなかったらね」
『ならこのひとはパパでしょー?ママとケッコンするんだもん‼︎』
そう言われれば……そう、なのか?
婚約者になるんだもんね……いやいやいや、私、こいつに殺されるじゃん。
「私、グランに殺されちゃうんだけどなぁ……」
「えっ?」
グランの表情が凍るように固まり、ぎこちない動きをする。
そして、彼はガバッと私の肩を掴んだ。
「ちょい待ち‼︎それ聞いてねぇ‼︎」
「あれ?さっき、話してなかった?」
「ねぇよ‼︎」
忘れてたみたいなので、私が敵キャラとしてヒロイン&攻略対象キャラパーティーと戦い、最後に殺されることを話した。
話し終えたら……グランさんの顔がヤバかった。
顔面蒼白や。
「いやいやいや、そんなの嫌だぞっ⁉︎殺す訳ねぇーじゃん‼︎こんなにかわいーのに‼︎」
「かわっ……⁉︎」
「っーか、殺せない‼︎俺が守る‼︎折角の転生者同士なんだぞ⁉︎簡単に死なせるかよ‼︎」
グランは勢いよくアースドラゴンさんを見つめると、大声で宣言した。
「よし、アースドラゴンに誓う‼︎ママはパパが守るぞ‼︎」
「ふぇっ⁉︎」
『うん、ボクもてつだうー‼︎』
「良い子だな‼︎」
いやいやいやいや、あのですね⁉︎
いきなりなんでそーなるっ⁉︎
「なんでいきなりっ⁉︎」
「へ?婚約者になるんだろ?どーせ殺させないし、守るし。つまりは将来は結婚するだろ?なら、リジーを母として慕う子供に誓うのは当たり前だろ」
「えぇ……そうなの?」
「俺的にはそーなの。というか、こんなに可愛い子と結婚できるなら、いくらでも頑張れるし」
「あぅ⁉︎」
グランは私の頬を両手で包んで、至近距離で微笑む。
ふぁぁぁ……イケメンが凄い破壊力ぅぅぅ‼︎
ついでにチュッ‼︎と優しく額にキスされました‼︎
うわんっ⁉︎
「なんでちゅー⁉︎」
「可愛かったから。ほら、なんかこっちの世界に引っ張られてるのか、キスとかフツーにしちゃうんだよな」
「お前、4歳でタラシか‼︎」
「なら、お前も幼女なのに俺を惑わすよーな悪女だよなぁー?」
にやりと笑うその顔は子供じゃありません。
大人顔負けです。
『ママとパパ、イチャイチャしてる〜‼︎』
ケラケラと笑うアースドラゴンさんの声で、余計に恥ずかしくなりましたよ、えぇ。