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第1話 悪役令嬢はRPGに走ります☆


いっきに2話更新‼︎


 



 はい、こんにちは‼︎

 フリージアちゃん、3歳です‼︎

 えぇ、えぇ‼︎

 あの苦行(赤ちゃんゆえに動けない)から解放されたと言えるでしょう‼︎


 えぇ、やっとまともに動けるようになりましたよ。

 お喋りも舌ったらずですが問題ナッシング‼︎



 ………と、いう訳でRPGに走ります。




 まぁ、赤ちゃんって寝てるだけで暇だったからね。

 おかげで魔法の練習が色々できましたよ。

 全属性ってなんだと思ったら、ガチで全属性だったよ。

 ゲームじゃ火・水・風・土・光・闇の基本の6属性と特殊の氷・雷・無属性って感じなんだけど……。

 まさかのヒロインの聖属性も使えたよ。

 ついでに言うと、ゲームに存在しなかった空間属性、重力属性も使えました。

 ゲームじゃフリージアさんは一応特殊属性の雷魔法の使い手だったから、多分、その他の特殊属性が使えるのは異世界転生チートなるもんっすね。


 ちなみに、現ステータスはこちら‼︎




 名前:フリージア・ドルッケン

 職業:悪役令嬢

 レベル:1


 体力:50

 魔力:1000


 物理攻撃:10

 魔法攻撃:200

 物理防御:10

 魔法防御:300

 速さ:10

 運:10


 魔法:全属性

 スキル:言語理解 詠唱短縮 精度上昇 魔力消費量減少

 称号:転生者 苦行を乗り越えた者





 魔物を倒してないからレベルは上がってないけど、魔力とスキルが増えましたな。

 魔力はテンプレみたいに魔力がなくなるまで使って、量を増やしました〜。

 えぇ、ついでに瞑想、細かい魔法の使用を繰り返したら短い詠唱やら、魔力量が少なく済むようになりました。

 素晴らしいよ‼︎




 と、いう訳で……‼︎


 転移魔法でお屋敷を脱走じゃー‼︎





 *****




 地味な麻のワンピースとローブを纏って、金髪碧眼の容姿を隠し、私はとことこと王都をひた走る。



 向かう先はえぇ、皆さんお待ちかねの冒険者ギルド‼︎



 ふふん、ちゃんと調べましたよ?

 冒険者ギルドは、魔物討伐からちょっとしたお手伝いまで……いろんな仕事を受けられる何でも屋さんみたいなところ。

 貧乏な子供が危険の少ないお手伝いのような仕事もできるようにと、年齢制限もない。

 もちろん、良いところの坊ちゃんとかが隠れて冒険者活動をしていることもあって偽名とかもオッケー‼︎

 つまりは、犯罪歴さえなければどんな人でも大丈夫なのだ‼︎




 木造の、冒険者ギルドと言うには小綺麗な建物に躊躇いなく入る。

 某ラノベ、某RPGが如く受付カウンターが並び、酒場が併設された冒険者ギルド内で、私は迷いなく受付へと小走りで駆け寄った。


「こんにちは‼︎」

「はい、こんにちは」


 受付のお姉さんが柔らかい笑顔で返事をしてくれる。

 うん、良い雰囲気だね。

 じゃあ、3歳児っぽい感じで会話しますかね。


「ぼーけんしゃとーろくにきました‼︎」

「あら、そうなの?じゃあ、お名前と得意なことを書いてね。他のは書けたらで大丈夫よ。文字は読める?書ける?」

「だいじょーぶです‼︎」


 お姉さんが渡してくれた紙に名前と得意なことを書く。

 えっと……名前欄はリジー……雷属性を得意にして……。


「できました‼︎」

「はい、受け取ります」


 お姉さんがニコニコして紙を受ける。

 そして、驚いたように目を見開いた。


「リジーちゃんは特殊属性が使えるのね」

「あい‼︎かみなり、びりびり‼︎」

「特殊属性が使える子は優遇されやすいから、大人になったら沢山、討伐に参加すると良いわ」


 ふむふむ。

 この言い方だと幼い見た目の私には討伐依頼を受けさせる気はないようですな?

 王都のお手伝い依頼ばっかり進められるかな。


「じゃあこの丸い玉に触れてね」

「あーい‼︎」


 お姉さんが出した玉に触れると柔らかい光が宿る。

 お姉さんも「犯罪歴はないわね」と確認して、直ぐにギルドカードを作成してくれた。


「はい、リジーちゃんのギルドカードです。再発行にはお金がかかるからなくしちゃダメよ?」

「わかりました‼︎」

「今のランクはFランクだけど、一つ上のランクまでの依頼を受けられるわ。後、自分のランクと同じを10回、上のランクだったら5回でランクアップよ。悪いことをしたら怒られるからしないでね」

「うん‼︎」

「依頼は横にあるボードに張り付いてるから、剥がして持って来てね。倒した魔物の素材の買取もやっているから……まぁ、そこはおいおいで大丈夫でしょう。分からないことがあったらまた聞きに来てね」


 お姉さんは結構丁寧に教えてくれた。

 一応、取扱説明みたいなのも渡してくれる。

 こーいうのって説明が適当とかがセオリーだと思ってたけど、王都のギルドだからかな?

 めっちゃ丁寧っす。


 テンプレみたいに絡んでくる馬鹿もいないし……ちょっと拍子抜けだね。

 あぁ、これ、乙女ゲーム(または類似した)の世界だからか?

 そーいうアウトなイベント、出ないとか?

 ………いや、あったな。

 可愛いヒロインが他の男に絡まれて、一緒にパーティーを組んでる王子が助けるイベントが……。


 まぁ、起こる訳もなく。



 私は暢気に常駐の初心者用依頼であるツノウサギ討伐依頼を手に取って、お姉さんに手渡した。


「おねがいしまーす」

「あら…リジーちゃん。討伐依頼を受けるの?止めて方が良いわ。初心者向けとは言え怪我をするかもしれないのよ?王都のお手伝い依頼に……」

「あのね、おかね、いるの‼︎」

「…………」


 えぇ、そうです。

 討伐依頼は依頼達成報酬の他に素材売却もできるから、お手伝いだけの依頼より沢山お金が入るんですわ。

 つまり、私がお金がいるの‼︎とワザとらしく言えばお姉さんも困る訳で(深読みするだろうし)。

 冒険者が受けると言った依頼を無理やり変える権利は、ギルド側にはないから……お姉さんは渋々、それを受理するしかねぇーのです‼︎


「無理だと思ったら依頼破棄するのよ。まだリジーちゃんは小さいんだから、怪我したり死んだりしたら意味ないんだからね」

「うん‼︎」

「………はぁ…こんな小さな子がお金を欲しがるなんて、王侯貴族はちゃんと子供達が不自由なく暮らせるように仕事してるのかしら」


 お姉さーん、それ下手したら不敬罪だよー?

 私のはただ、いつかの日のための貯金だから……深読みさせるようなこと言った私が悪いんだけどね‼︎



 私はギルドカードにツノウサギ討伐依頼受理中の印(魔力判子というヤツで、何度もつけたり消したりできる)を押してもらい、討伐に出かけた。






 *****





 初心者向けの冒険の地…魔の森。

 もう既に初心者向けじゃなさそうだが、初心者向けなのだ。

 今回の討伐依頼はツノウサギ5匹。

 でも、どうせだったら一回チャレンジしてみたいじゃん?


 ………高レベル魔物に、さ?



 実を言うと、この森、初心者向けではあるけど森の中心部にはストーリー終盤(レベル70くらい)までいかないと倒せないようなステージボスがいる。



 それが、アースドラゴンだ。



 魔物って人とかを襲うんだけど、アースドラゴンはなんでか自分の縄張りから出ないんだよねぇ……謎いわ。

 だから、その特性を利用して逃亡することもできるので‼︎

 ワンチャンチャレンジしてみようと思います‼︎


「《索敵》」


 魔力を私中心に波のように広げ、その反響で魔物や地形を把握する。

 お、確かに森の中心部が荒れた大地みたいになってますな‼︎

 中央に横たわる巨大な反応がアースドラゴンさんかな?



 ぐふふっ……冒険ってのはこうじゃなきゃね‼︎



 私は呪文詠唱を始める。

 詠唱短縮すると、その分威力が下がるし…魔力消費量も増えるからね。

 アースドラゴンさんに失礼だし、本気で行こう。

 あ、でもこっから歩いていくのは大変かも……。

 なんか都合いいスキル覚えたり……。


『魔力充填 取得』

『二重詠唱 取得』


 都合よく頭の中で流れる音声アナウンス。

 はい、スキルなどの取得時に流れる声ですね。

 異世界チートあざまぁす‼︎


「《聞けよ、雷鳴。鳴り響け、轟。我が求むは破滅の雷、神の裁き》」


 ついでに転移の魔法も発動させて、準備オッケー‼︎


「《その一撃は全てを失墜させる》」


 私は一瞬で転移を発動させ、この森のボス……アースドラゴンさんの頭上に移動した。

 赤茶色の蛇のような巨体に背中にちょこんとある小さな翼。

 ドラゴンさんはバッとこちらを見上げ……。


『貴様っ、何者ーー』

「《墜ちよ、鳴神っ‼︎》」

『Gugaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa⁉︎』


 敵の姿を目視するよりも早く、20メートルはありそうな巨体が雷(いや既に柱)に貫かれる。

 ………うわぁ、エグい……。

 っーか……今、ドラゴンさん喋りましたよな?



「やらかしたかも……?」



 冷や汗が、止まりませぬ。





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