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第15話 時間が経過したら、甘々ですね


今回はR-15展開かな?

甘々目指しました、いえす。

ちょっとRPG展開からは離れてるよ‼︎


よろしくね☆


 






 皆さん、こんにちは。

 フリージア・ドルッケン(15歳)です。


 はい……特に何かある訳がない日々が過ぎまして、こうして大人になりましたわ。

 性格は多少は落ち着きました。

 まぁ、流石に……精神年齢は前世の分も加算されてますので、いい歳してあのハイテンションのノリではいられませんでしたわ。


 まぁ、この喋り方はかなーり演技入ってますけどね?

 あ、今も変わらず冒険はしてるけどね。






 あれから大体12年ぐらい……なんか、今思えば小さい頃から破天荒してましたわね。

 あの時ほど無理はしてませんけど、今の私達の日々はあんまり変わってませんの。

 グランがよく王宮を抜け出してきて私を甘やかしたり。

 アースとファイが人型(5歳くらい)になれるようになったくらいかしら?

 あぁ、そういえば。

 グランは他国の王子達ともよく連絡を取って、なんか、色々と教え合ってるみたいですわ。





「リジー?」


 グランの部屋で、私を膝の上で横抱きにして抱き締めていた彼が……怪訝な顔をしながら名前を呼んでくる。

 柔らかな亜麻色の髪に翡翠の瞳。

 王子様って言ったら金髪碧眼なんでしょうけど……ナチュラルカラーでもグランは顔が整っていますから、イケメンなのよね……。

 うん。


「どうかした?」

「いいえ?随分と変わったものだと思いまして」

「……それはリジーが?」

「私もですけど、グランもゲームのキャラとは別人じゃない」

「そりゃそうだろ。俺はゲームのグランヒルトじゃない。それに、リジーを愛してるからな」

「………………」


 ………真顔でそう言うのは反則だと思いますよ?

 私は恥ずかしくなりながら彼の胸元に頬を寄せる。


「リジー、可愛い」

「………グランはイケメンよ」

「あははっ、ありがとう」


 グランは私の頬やこめかみ、唇に優しくキスをしてくれる。

 いや、キスをしてくれるのは嬉しいのよ?

 でも、もうちょっと手加減という言葉を知って欲しいのも本心なのよ。

 グランの愛情表現は、スキンシップ激しい系だから……いつもこうやって宝物を扱うように触れられて。

 甘やかすようにされたら……心臓が痛いくらいに高鳴って、死んじゃいそうになるのよ。

 ………グランの真っ直ぐな愛情の所為で、私もグランが好きになってしまったの。

 愛するようになってしまったの。

 ………まぁ、結論から言えばグランが悪いわ。

 私にいっぱい愛してるって言ってくれて、ずっと甘やかすんだもの。

 惚れない方がおかしいわ。


「リジー、可愛い」


 そんなことを言われたらもっと顔が熱くなってしまう。

 多分、顔を真っ赤になっているから……グランも分かってると思うのに……。

 しばらくそんな風に戯れてから、グランは纏っていた空気を真剣なものに変える。



「…………さて、作戦会議をするか」



 グランの言葉に私は意識を切り替えたわ。

 そう、今日グランに会ったのはそれが理由。

 私は後、3週間後に学園入学する。

 既にグランは入学済みだし、成人(16歳)済み。

 で、リリィが覚醒するのが入学の2週間前。

 逆算して来週にはリリィが聖女として現れるってことなの。

 魔王は既に対策済みだけど……まぁ、リリィの方はどうなるか分からないもの。

 できれば、グランを取らないで欲しいものだわ。


「…………まぁ、言ってしまえば……特に対策はない」

「………あら?」


 でも、グランはまさかの何も考えていなかったパターンらしく。

 私は目を見開いて固まってしまう。

 …………やだ…ちょっと……ショックなんだけど……。


「だって、俺はリジーしか愛してないから……その聖女がきたとしてもあまり関係ないだろ」


 グランは至ってなんでもないように言う。

 私は少し自分が恥ずかしくなったわ。

 …………その…まさか、そういう感じだと思わなかったんだもの。

 私達の関係が終わってもいいのかと思ったわ。


「………でも…ほら。ゲームの強制力とか」

「なら、チート能力持ってないと思わないか?」

「……………」


 ………それは…そうね。

 強制力があったら、私、魔法の全属性適正とかないわよね。

 魔王の対策もできなかったでしょうし。


「だから、リジーは何も気にせずに俺に愛されてろ」

「………ぅ……」


 率直な言葉に、私は目を逸らそうとする。

 でも、グランはそれを許してくれない。

 私の両頬に手を添えると、触れるだけの優しいキスをしてくる。

 でも……それはどんどん深くなって。

 息が苦しくなる。

 でも、熱くて、甘くて……気持ちがいい……。


「……ふっ……ぁ……」

「まだ不安か?」

「………ぇ…?」


 蕩けた思考で首を傾げる。

 グランはペロリと私の唇を舐めて、妖しく微笑んだ。


「だって、リジーは俺がその聖女の方にいくかもしれないって不安がってるんだろう?」

「………いや…そこまででは……」


 グランは出会ってからずっと私を愛してくれている。

 長年、甘々のトロトロにされてたら……グランが裏切らないだろうって思うわ。

 ただ……ちょっとだけ。

 ほんの少しだけ、不安になってしまっただけなの。


「駄目だからな?少しでも不安に思う必要はないんだ」

「でも……」

「リジー」

「………っ…‼︎」


 真剣な顔で見つめられて、言葉を失う。


「リジー。俺が愛してるのはお前だよ」

「…………」

「………はぁ…仕方ないな」


 グランはにっこりと微笑む。

 ……えぇ、嫌な予感がしたわ。


「リジー。お前は今年、成人する」

「……えぇ…そうね……」

「ちょっとくらい、フライングしてもいいよな?」

「え?」

「愛してるよ、リジー」


 それから何が起きたかって?




 えぇ、ご想像通りの展開になったわ……。







 *****





「うわぁぁぁぁぁ……グランのばかぁぁぁぁあ………」




 顔を真っ赤にしながら、グランの部屋に備え付けられている浴槽の中で呻く。

 私の座椅子代わりになっているグランは凄まじく爽やかな笑顔で、答えたわ。


「そんなこと言って……リジーだって受け入れてただろ?」

「でも、もうちょっとロマンチックな感じを期待してたのよ‼︎」

「じゃあ2回目はロマンチックにだな」


 髪を搔き上げながら、グランは不敵に笑う。

 あぁ、駄目だわ。

 恋愛フィルターがかかってる所為でグランがいつもよりもイケメンに見えちゃう。


「………って…結婚前に手を出しちゃ駄目じゃないの……」

「あぁ、大丈夫。父上達には伝えてある」

「えっ⁉︎」


 私はそんな話を聞いてギョッとしてしまう。

 いや、だって……なんで言っているの⁉︎


「リジーが可愛くて可愛くて仕方ないので、無理やり襲ってしまいそうです。なのでリジーに手を出す許可を下さいって」

「………それ、どちらにせよアウトじゃないかしら?」

「あぁ、流石に娼館の手配とかされそうになった」

「………えっ……」


 私はそれを聞いて目を見開く。

 ………だって、それってつまり……グランは私以外の人を……。


「でも、そんなことしようとしたら国を滅ぼしてやるって脅した」

「かなり危険な脅し方してるわねっ⁉︎」


 一番怖いのは、グランの言った脅しは実行できる脅しってことかしら……?


「という訳で、契約魔法でリジーに手を出す権利をゲットしました」

「………え?」

「リジーを裏切らない、必ず娶る。もしリジー以外を愛そうものなら、リジーを傷つけるようなら死ぬっていう契約を俺の父上とリジーの父上と交わしたんだ」

「………ちょっと待って‼︎グラン、私に手を出すために命かけたのっ⁉︎」


 互いに裸だというのも忘れて、ガバッと振り返る。

 そして、グランにかかっている契約魔法の解析をしたわ。

 …………嘘……本当にその内容で契約してるじゃない……。

 グランは愕然とする私を見て……優しく微笑んだ。


「いいんだよ。リジーのためなら命をかけるのに値する」

「………グラン……」

「これで身も心もリジーに捧げた。まだ不安か?」

「……………」


 命までかけてもらって、不安に思うはずないじゃない。

 ……どれだけ、私のことが好きなの。


「私、乙女ゲームは好きじゃないわ」

「知ってる。RPG好きだろ」

「えぇ。冒険するのが好きよ」

「まぁ……俺もだけど。それがどうしたんだ?」


 グランは怪訝な顔をする。

 私はそんな彼の胸元に顔を寄せて……小さく呟いた。


「でも、グランとイチャイチャするのは……まぁ、許容してあげる」

「……………」

「そこだけは、乙女ゲームかよってぐらい甘々でもいいわ」

「…………ふはっ‼︎」


 グランはクスクスと楽しそうに笑う。

 私にとってはその笑いが少し癪に触るけど………でも……。

 グランが愛おしそうな瞳で見つめてくれるから、まぁ許してあげるわ。



「ドロドロに甘やかして愛してやるよ、リジー」

「………約束だからね。貴方のモノになってあげるわ」

「………っ‼︎」


 グランは目を見開く。

 ………えぇ、これは小さい頃の約束。

 グランが私を殺さないなら、貴方のモノになってあげるって約束したもの。

 まだ、ゲームは始まってないけど……グランが私を傷つけないって契約してくれたから。

 まぁ、一応は約束通りってことでしょう?


「リジー……幸せにする」

「幸せにしないと焦がすからね」

「焦がされないように気をつけるわ」


 焦がす、焦がされないなんて……なんて色気のない会話。

 でも、これが私達らしいわね。





 私とグランは、互いにクスクス笑いながらもう一回、キスをしたー……。





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