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死神さんは忙しい  作者: 橘光
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第4話 人間は内面が全て

大分遅れちゃいました。(T_T)でも、逃げは絶対にしません。(`・ω・´)キリッ

「はい。じゃ、今日の授業はここまでね。」

チャイムと同時に、先生はそう言ってクラスを後にしました。今日の学校はここまでのようです。それにしても、人間は短い寿命故にその限りある時間を大切にしているようですね。時間ぴったりに鳴るチャイムと呼ばれる楽器のような音が、それを証拠づけているようです。

「ねー、佐藤君。」

その声が聞こえた方向に振り向くと、華奢な女子が2人立っていました。

「この後一緒にお茶しに行かない?」

「この後…ですか?すみません。私、この後用事が…。」

「そういうわけにもいかないんだな~。」

すると、立ち上がりクラスを後にしようとした私の腕をとんでもない強さで掴みました。

「痛い痛い痛い痛い痛い!!!痛いです!!痛いです!!やめて下さい!」

「やめてほしかったら~?」

「わかりました!!ちょっとの間付き合いますから!!離して下さい!!」

「は~い。交渉成立~。」

これが果たして交渉なんでしょうか…?思わず離された右腕を押さえてしまいました。

「じゃ、案内するから。」

そして、また強い力で引っ張られていきました。


これがコーヒーというものですか。少しほのかな苦みがありますが、後味に深いコクがありとてもおいしいです。とはいえ、もう少しで寿命が尽きる人間のところに向かわないといけないのですが…

「あの…もう私…用事が…」

がしっ!と音がするような勢いで掴まれ、先ほどの痛みを思い出します。

「わ…分かりました!もう少しいますって!」

そう言って席に戻り、コーヒーという飲み物を頼み直します。これをもうかれこれ20分繰り返しています。なんとかこの状況を打破したいのですが…どうしたらいいでしょう?……仕方がないです。あまり手荒なことはしたくなかったのですが…やむを得ません。

「すみません。少しトイレに行きたいのですが…いいですか…?」

「ああ、いいよ。」

トイレの中に入り、私は死神の姿になりトイレを出ました。人間にはこの姿は見えないので、皆さんの前でやるとあたかも消えたように見えてしまうので、トイレの中でやる以外に方法がないのです。人間の姿では、能力が大分制限されるのでこの姿が一番楽です。

「2人の人間よ…何も知らずに眠りなさい。」

2人はまるで疲れていたかのように眠りました。眠らせただけなので2人に害は与えていませんが、もうそろそろ寿命の尽きる人間がいるので、置手紙を書いていきましょう。私は鞄の中からメモ用紙を取り出し、『お眠りになってしまわれたようなので、私はおいとまさせていただきます。コーヒーのお支払よろしくお願いします。』と書き、机に残して大急ぎで人間のもとに向かいました。

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