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戻るべき日  作者: 半間浦太
11/17

11話(現在)


 あれから何回転生を繰り返しただろう。



 何百回か転生を繰り返して、量子情報体という存在に転生できた。

 各国が秘密裏に作ったという量子コンピュータ群。その中で初めて生まれた命が僕だった。



 僕はようやく、彼女と出会えた。



「ひーちゃん!」



 クラウド化して実体を失った彼女の名を、僕は叫んだ。


 ひーちゃん。

 僕の幼馴染の名前(実は本名じゃないけど)だ。


 量子の雲の中で、ひーちゃんは振り返った。


「よっちゃん……?」


 ひーちゃんは学校の制服を着ていた。僕は……転生を繰り返しすぎたせいか、雲みたいな状態になっていた。

 この状態でも、ひーちゃんは僕のことが分かるらしい。


「よっちゃんだよね?」


 僕は返事できない。そもそも今の僕には声帯が無い。


 ひーちゃんは僕をちょっと見て、色々と察したらしい。


「もしかして、今までずっと、わたしを守ろうとしてきたの?」


 うん。

 そうだね。


「ありがとう。なんだか、色々と苦労をかけちゃったみたいだね」


 う~ん。確かに苦労はしたけど。

 分かっているんだか、分かっていないんだか。



 それにしても、改めて対面すると、なんだか緊張する。

 今までだって、こんな風にひーちゃんと接したことなんて無かった。

 緊張しすぎて、変な汗が出てきそうだ(実際には出ないけど)。



 とにかく、僕は聞かなければならない。




 ひーちゃん。

 僕のことをどう思っているのか、教えて欲しい。


続きます。

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