戻る瞬間
私も、甲賀くんも無言で文化祭を回っていた。
「早く……戻りたいな。」
私の口から無意識にこの言葉が出てきた。
「あ、いた!柚葉!!」
甲賀くんが何か言おうとした時に私の体をした加瀬さんに声をかけられた。
「おい、加瀬さん柚葉に何の用だよ」
甲賀くんが前に出る。
「戻る方法が分かったから文化祭が終わったあと、図書館に来て。将ちゃんも一緒に!」
そう言ってどこかへ姿を消した。
「戻る方法……か。将ちゃんにも声かけなきゃ!」
「待って」
甲賀くんに腕をつかまれた。
「甲賀くん、?」
「んーん、何でもない。将哉探さないとな。」
甲賀くんの表情は少し怖かった。
****
文化祭が終わり、図書館に来ていた。
「あっ、みんな揃ったね!」
加瀬さんがニコニコして話しかけてくる。
「戻る方法なんだけど、同じ時間に同じことすればいいだけなの!」
「……そんなん知ってるけど?」
甲賀くんは即答で返事する。
「うっ……それでね。戻るには1つ難点があって……戻るには戻るんだけどどっちかが必ず死ぬんだって。」
『え?!』
「保健の先生も入れ替わったらしくてね先生は戻れたけど友達の方は亡くなったって。」
「……」
どっちかが必ず死ぬ……?
私が死ぬか、加瀬さんが死ぬか
「でね柚葉。早速明日やりたいんだけど。いいかな?」
「……う、うん。」
「え、ちょ、柚葉?!」
「出来ることなら1日でも早く戻りたいから。ごめんね」
早く戻って、全部やり直したい。
****
次の日の朝、みんな階段の所にいた。
「……あと1分……」
これで成功すれば……戻れる……!!
「今だ!」
将哉の声をきいて柚葉と加瀬さんは階段から落ちた
バタッ……
「柚葉!加瀬さん!!」
2人ともうなされるように倒れていた。
「先生呼んでくるか。話がわかる、保健の」
「そうだな。」
保健の先生の指示により、2人は病院へ運ばれた
「2人は入れ替わってたこと知ってたの?」
「はい。」
「俺も……最初は知らなくて普通にしてたけど…… 」
「あとは、あの2人に任せるしかないわね。」
「どっちかが必ず死ぬんですよね」
「そう。アタシは生きてたけどね」
「……」
願うは柚葉が目を覚ますことだけど、
加瀬さんにも目を覚ましてほしい。
「大丈夫だよ雪哉。お前が不安そうにしてたらどっちも目覚ませねーぞ」
「……分かってるよ」
どちらも無事に……




