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本物神様と異世界転送

ーーー自称神様に殴られました。


 「ってか、ここどこだよ!?」

 「お主のいた世界と他の世界の狭間じゃよ、次元の狭間ってやつじゃな。」

 「…見た目どおりぼけてんのな、じいさん」

 「誰がぼけたはげじじぃじゃ!まだうっすら残っとるわ!ぼけ!」


 (はげてるのには触れてないのになぁ…)


 全く最近の若者はこれだから…、とぶつぶつ呟くじいさんを横目に俺は少し冷静を取り戻した頭で今の状況を分析することにした。


 まず、意識の混濁はない。次に回りはじいさん以外物体はなく、立っている感覚があるのに地面すらない。辺り一面が真っ白なのだ。浮遊感がないことだけが幸いか…。そして、この世界から逃れる方法、いや世界として捉えていいのかどうかはさておき、これだけはっきりとした思考ができるから夢でないことは確かだろう。あのじいさんのぼけ発言が事実だとして、ここが次元の狭間と仮定したとき、俺はあのじいさんにすがるしかないのだろう。取り敢えず情報を聞き出すしかないか…


 「なぁ、じいさん」

 「…なんじゃ」

 「いや、なんじゃ、じゃねぇよ。もう一度聞くがここは何処だ?というかなんなんだこの世界(?)は」

 「…もうはげたぼけじじぃと言わんか?」

 「それは返答次第だな」

 「ならば確約するまではもう教えん」

 「はぁ!?子供かよ!?ったく、分かったよ、言わないよ。言わないから答えてくれ。ここは何処で、なんであんたはそれを知っていて、ここにいる目的を」

 「しょうがないの。と・く・べ・つに教えてやらんこともない」

 (イラッ)

 「あ、今イラッとしたの。ふっ、まぁ良い。ここは先程も言ったが次元の狭間じゃ。そしてわしはお主のところで言う神様じゃ。ここにお主を連れてきたのは他でもない、お主に文句を言うためじゃ。」


 そういえばなんか特典(チート)についてなんか言ってたのを、思い出す。


 「神様ってのはどうかと思うが、次元の狭間だとかってとこだとは認める。じゃないと説明がつかねぇからな、まぁ、認めたところで説明なんてつけようにも出来ないけどな。で、なんだ、文句ってのは」

 「神様は事実じゃ!」

 「はいはい」

 「……」

 「…おい」

 「…………」

 「……じいさん」

 「………………」

 「だぁ!分かったよ、神様教えて下さい!」

 「…やっと認めたか。で、文句ってのは他でもない。お主の小説のなかの主人公に与える特典のことじゃ!二つも与えられるわけがなかろう!お主は主人公も神様もどちらも殺すきか!」

 「いやいや、なんでそうなるよ。たかが俺が適当に始めた趣味にもならんくらいの小説じゃねぇか。しかも、空想上のキャラクターだし。なに、俺が創りだしたあいつらって存在すんの?」

 「存在する」

 「え」

 「だから存在するのじゃ。普通ならこんなことは滅多に起きないのじゃが、お主の小説と、異世界とが相互関係になってしまっているのじゃ。じゃから、お主が書いた文面どおりのことが異世界でおき、さらにこの場合に限っては、異世界転生者であってもその器が受け取れる特典は一個だけなのじゃ。ここで無理にでも二つの特典を器に入れたとき、その器は消滅または暴走し、神様のみならず、それが管理する世界ごと消滅するであろう。じゃからわしが持てる力を使って特典を空白にしてなんとか防いだ次第なのじゃ。まったく、お主は自分の行動に責任を持たんか!」

 「いや、知らんことにどうやって対処しろってんだよ…

ってかさっき自分でも普通じゃねぇって言ってただろうが…」

 「それでもじゃ!まぁ、済んでしまったことは仕方ないが、これもお主の知識不足、経験不足からきたもの!じゃからお主には先の主人公に代わりにひとつ特典を与え、異世界において経験をつんでもらう。まぁ、体当たり取材じゃな。はっはっはっ。ということで行ってこい。」

 「え、ちょ、まっ……」


 今度は視界がブラックアウトし、意識が途切れた…


 「あ、異世界自体の説明とか特典とかの説明を忘れてしもうたが、まぁ、あとで書類送れば問題ないじゃろ」



ーーーーーこうして俺の異世界体当たり取材が始まった



 読みにくかったので編集しました。内容は変わっていません。

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