フェデリコ
雨が降る
猫のような身のこなしで
逃去る
言葉を捕まえた
雨の中を走るように
空想を
魚の群れを
見つめるレンズは
なぜだか
薄暗い意思を瞳に灯す
形を持っているならば
バケツをもって旅に出なさい
薄い膜が
弾ける時に
消え去るそれを
どうするのか?
誰かが望む
失墜を
また
また!
さよならを贈る
知ったばかりの単語を
使いたがる子供のように
ゴンドラから眺める街の風景は
消え去らない
燐光を放つ帽子屋のショウウィンドウが
何故だかとても気掛かりだった