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THE プレゼン  作者: 玲於奈
6/27

教授の総回診

なし

いまさらながら

本流から離れた亜流

ながれにながされ

なんとかはじにひっかかって

とまったとも

おもえる場所


そういえば

わたしの

この分科会出席も

急だった


この学部にはいってから

雲の上のひとで

めったに会うことのない

学部長が

うちの教授とともに

研究ブースを

総回診。


もとい、ご巡回。


いつもなら


徹夜で

椅子寝の輩もいる

くさいくさい底辺の現場へ

わざわざ

多数の取り巻き

白衣もつらねての

ご来校


なにかあったのか

警察、消防

はたまた、国税の査察かと

思われるくらいの僥倖


しかし

その身のこなしは

貴賓ある

高貴なお方のように

これはと思われる人に

お言葉をおかけになっている


かくいうわたしは

しっかり前日徹夜明けの午前中で

朝日をまぶしく顔に感じながらも


正直なにが

どうなっているのか

わからない


声こそかけられなかったものの

どんな研究をしているのか

実際に

調査している模様


その後、

今回の学会の選抜メンバーが

発表された



その人は

一言で言うと

良いおじさん


よくまあ

ここまで


人がいいということは

素晴らしいことなのだと


唯物論のごと証明可能


本当に

うちの教授は

ひとのよさだけでここまできたようで


この魑魅魍魎の大学で

今までよくぞご無事でとおもえるお方


その教授から

オーダーが


やはりお親切なお方で

ご教授自らご教示くださるものの

いかんせん

第一回のバイコンで様子がわからず

右往左往


大量のプレゼン資料に

さらに

両面で6枚の

研究データも加算することに


湿気た印刷機で

資料を量産しながら

ふと思ったことは


「教授、パワーポイント

 いるんでしょうか」


私の資料に目をとおしながらの教授

あまりに盲点すぎてのお顔


そうりゃそうだ

プレゼントいえば

パワポンで

あんぱんといえば

あんぱんなのに


ドーナッツのない

ミスターど~になってしまって


「もう時間がない

 データでいくしかない」


そうなってしまった


はきだされ

プリンターに

つまりそうになる

大量の発表物をながめながらも


こころのどこかでは

同僚を出し抜いた

そんなきもちもすこしはあったかもしれない


そんなこんなでやはり

どこか

こころはかるかった






















なし

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