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THE プレゼン  作者: 玲於奈
25/27

万馬券

なし

机をまさに叩かんばかりの

様相で

くりかえし


「いまの実験論について

 わたしは全くそう思いません」


言い切ったという感じで

わたしの論に

逆ぎれしてきた


准教をかけて

最後の戦い


わけのわからない

学部ペーペーに

負けるわけにいかない


まさに就活の

集団討論状態。


出る杭は打つ。

そんな気配ですでに

臨戦態勢


そして

私に反論の場が与えられた


「えー皆様。

 私は、学部生であります

 自分で言うのもなんですが

 けっして

 優秀ではありません。


そのセリフに


今までの無表情が嘘のように

会場に異変が

こうべをたれた稲穂がおきあがる

つぎつぎとつぎつぎと

視線を感じる


多くの目がわたしの目をみる


ミラクル。

神はわたしを見捨てんかった。


喜びつつも

内田に言われた言葉を

思い出し

聴衆を首をふって

見回す。

選挙の最後の遊説

そんな面持。


 この実験をはじめた当初

 なんでこんな基礎実験を

 繰り返すのかと

 何度も疑問に思いました。

 しかしながら

 3年たち 

 この基礎実験の重要さ

 培養器の大切さを

 私は感じています

 この、基礎実験は

 まがうことなく

 まさに重要なファクターであります。

 この実験は今後

 世界を救います。」


クリーンベンチ

箱の中を無菌にしたテーブルで

実験を繰り返した

光景が脳裏にうかぶ


本当にがんばった

わたし


先輩や、院生や

ポスドクや助教、准教に

あれやこれや


「使えない」

「ぜんぜんだめ」

「また、失敗か」


何度言われたことか

そういわれながらも

食らいつき

ここまでがんばってきた


嫌味の一つ一つが

よみがえる


一時は

あまりの嫌味

罵詈雑言に嫌気がさし

逆にテンションをあげようと

「悪口コレクション」を

つくって

いわれた悪口を

集めていた


悪口をいわれたら

それをノートに書く。


今まで言われた悪口とは

まったく別の悪口は

さらにクリーンヒット。

プラス2点。

まさに

マイナスをプラスに変える

切り口。


ブラック企業に勤める

借金取りのオペレーターの

自伝からヒント。



そして悪口が

100たまったら

散財する。

よくがんばったということで。



それらが

思い出された。


泣きそうになった。


その風情は

確実に会場に伝わったようだ。


チーン


いいタイミングで

ベルがおされる。


あまりの

青春ドラマ風


「さあ、海に

 向かって走り出せ」


的な展開に

言い出した私も

びっくり。


素早く

司会が

休憩をはさまず

最後に

締めの講評となることを

アナウンスしている。


そのアナウンスを

聞きながら

戦況を振り返る



やなせ氏は

なぜ、発表者でありながら

あの質問を

私にぶつけたのか。

氏は

論について間違っていると

思っていたのか。

どうなのか。


それが結局は

バズーカではなく

当人はどう思っているか

知らないが

私への援護射撃に


関ヶ原の戦い

最後に寝返った武将

そして

なだれをうって

形勢逆転


歴女ではないが

そう思った。

しかし本当に

大穴。

万馬券。


形勢逆転の

大ホームラン。

なし

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