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第6話

 四葉は布団の中で身悶えていた。


「ああああああああ!」


 枕にキスをし、一人芝居を行なっていた所を、司令と司令室のみんなに見られたのだ。

 何も言われないのが、更に四葉に傷を負わせた。


「黒歴史だ。嫌だ。過去に帰りたい。俺を殴りたい。」


「報告会議があんなに気まずい空気になったのは初めてだぞ。」


 四葉は頭を抱えながら、報告は終わってからも眠れずにいた。

 すると四葉は下から違和感のある気配を検知した。


(何者だ。)


 四葉が更に詳しく気配を探ろうとすると、四葉の宿泊しているホテルが横に斬られた。


◇ ◇ ◇


 少し前。

 四葉との報告会議を終えた司令たちは長いため息をついていた。


「あんな空気の中で報告会議をするものではないな。」


「そうですね。四葉君は気づいていませんでしたが終始、顔が真っ赤でしたから。」


「ヒーローにプライバシーなどはあまりないが、ヒーローでないときは連絡を入れてから会議をするべきだな。」


「賛成です。」


 司令と部下たちが話していると、基地から緊急事態のアラームが鳴り響いた。


 司令が声を上げる。


「何事だ。」


「ハッキングです。この基地に何者かがアクセスしてきました。」


(バカな。この基地は国の中でもかなりの上層部しか知らない場所だぞ。)


 司令が指示を出す。


「情報を絶対に渡すな。すぐに外につながる回線を全て遮断しろ。無理やり追い出せ。」


「はい!」


 ネットの回線を全て落とし、相手を追い出した。

 司令が指示を出す。


「少し、時間を置いてから、オフライン状態で情報を盗まれていないか、速やかに確認しろ。」


「了解!」


 時間が経ち、オフライン状態で、情報整理を行う。


「何も情報は盗まれていないな。」


 司令が尋ねると、報告者は顔を強張らせる。

 司令は嫌な予感を感じながらも尋ねた。


「盗まれたのか?」


 報告者は頷くことしかできなかった。


「盗まれた情報は何だ。」


「奪われた情報は、今日、作成したジャージ仮面の報告書です。」


 司令は頭を抱えた。


「報告書には四葉の名前は残していないな。」


「もちろんです。しかし・・・」


 少し間を置き、報告者は答えた。


「報告書にはジャージ仮面が宿泊するホテルの情報が・・・」


 司令は目を見開き叫んだ。


「すぐに、四葉に連絡を入れろ。」 


「ダメです。ネットに繋げれば、また侵入される可能性が。」


「くそったれ。」


「こういう時の為に彼奴には専用の端末を持つように言っていたのに、彼奴は断りやがる。」


 司令は怒りを一度、収めると更に指示を出す。


「大臣たちの専用回線を使う。大臣経由で四葉に連絡を入れてもらう。」


「はい。」


 部下が専用回線の準備を始めると、新しい報告が舞い込んでくる。


「司令大変です。」


「今度は何だ。」


「ジャージ仮面の宿泊ホテルが襲われました。」


 新たな報告に司令は血管が切れるように叫んだ。


「ふざけるな!!」


(情報を盗んでから、この展開速度。そして鹿児島。敵の正体は前回、四葉が滅ぼしたアジトから逃げた、テロ組織。)


「すぐに鹿児島県警に連絡を入れろ、自衛隊も動かせ。鹿児島に潜む、害虫を駆除するぞ。」


「四葉にも連絡が繋がったら伝えろ。」


 司令のドスの効いた声で睨み、叫んだ。


「必ず生きて捕縛しろ。死んでいなければ問題ない。」


 皆が思った。


「了解!」


(顔が怖い!)


◇ ◇ ◇


 現在の四葉。


 横からホテルを両断された瞬間、四葉はすぐに仮面を取り出し、装着した。

 窓ガラスを蹴り破り、倒れる宿泊ホテルを支えながら叫ぶ。

 喉に身体強化を使い、拡声器のような大きな声で叫んだ。


「宿泊しているみなさん、速やかに逃げてください。焦らないでください。ジャージ仮面が支えています。押さないで。走らず。ゆっくりと。みなさんの安全が一番です。」


 すると急な揺れで、ホテルが倒れそうになり、叫んでいた人々は落ち着きを取り戻した。


「見つけましたよ。ジャージ仮面。」


 宿泊ホテルの外でジャージ仮面を待っていたかのように、フードをかぶり、顔を隠す男が現れた。

 すぐにジャージ仮面も相手の気配に気付いた。


「ホテルを両断したのはアイツの仕業か。」


 そしてフードをかぶった男はがジャージ仮面に向かって飛び上がり接近する。


(嘘だろ。ここは二十階だぞ。この高さに届くのか。)


「背中、隙だらけですよ。」


 横一閃。

 ジャージ仮面は無防備な背中を斬られ、血を流す。


「また、来ますね。」


 攻撃をしたフードの男は下に落ちていく。


(あいつは俺のように浮くことができないのか?)


 フードの男が地上に着地すると、もう一度ジャージ仮面に向かって飛び上がる。


「また、来やがった。」


「何故、あなたの能力で空を飛べるのですか?」


 その問いかけと同時に、背中の同じ場所を斬られた。


(痛いな。くそったれ。)


(みんなが避難するまで、あと少し。その間に俺は、あいつの攻撃を受け続けるのか。)


 ジャージ仮面はフードの男を睨みつけ、思考を巡らせる。


(死ぬかもな。)


 先程と同じようにフードの男がジャージ仮面に迫り、背中を斬りつける。

 敵が剣を振るおうとすると四葉は決心した。


「作戦変更だ。」


 ジャージ仮面は支えていたホテルから手を離し、相手の斬撃を避けた。

 フードの男は動揺し、動きが鈍る。


「お返しだ。」


 身体強化で、足を更に強化し、相手の横腹に重い一撃を叩き込んだ。


「吹き飛べ。」


 ジャージ仮面に不意を突かれ、一撃をもらうと、横に吹き飛ばされ遠くの山にめり込んだ。

 ジャージ仮面は吹き飛ばした、敵を頭から除外して逃げ遅れた避難者に顔を向ける。


(避難者を助けないと)


 ジャージ仮面はすぐにホテル内の逃げ遅れた人々を探し出し、救援に向かった。

 ガラスを破り、ホテル内に入り、逃げ遅れた人々を背負い、外に逃がすことを繰り返す。

 そして三分も掛からずに救援が完了した。


 周りで見ていた人々は喝采を上げるようにジャージ仮面の名前を叫ぶ。

 するとジャージ仮面が先ほど吹き飛ばした、相手の気配を感じ取る。


(マジか。あの一撃を食らって気絶しないのか。)


 フードの男と視線が重なる、四葉は寒気を感じ取る。


「みなさん、すぐに避難してください。ここは戦場になります。」


 フードの男はジャージ仮面との十キロ以上の離れた距離を一瞬で消した。


(早すぎるだろう。)


 ジャージ仮面は周りを見る。


(周りに人が多い。避けたら、コンクリートやアスファルトが周りに飛び散る。)


 ジャージ仮面は構え、一瞬で判断した。


(衝撃を全て受け流す。)


 ジャージ仮面は相手の攻撃をわざと受けた。

 その受けた衝撃に争わずに、体が何度も回転する。

 その回転力を利用することで、相手の衝撃を残したまま、相手の顎を蹴り上げた。


「こんな所で暴れるな。」


 蹴り上げた敵に向かってジャージ仮面は飛び上がり、相手の顔を掴んだ。


「場所を変えるぞ。」


 ジャージ仮面が相手を先程と同じ山に放り投げた。

 相手が上手く着地すると、ジャージ仮面も山に降りた。

 ジャージ仮面とフードの男が睨み合う。


「それで、何者だ。お前。」


 ジャージ仮面が問いかける。

 フードを被る男が問いを返す。


「ボスとでも呼んでくれ。」


「えっ、やだ。」


 ジャージ仮面の即答に、その場の空気が少し気まずくなった。

 ジャージ仮面が咳を行い空気を変えた。


「とりあえず、黒いからクロと呼ばせてもらう。」


「好きにしろ。」


「目的は?」


「お前を調べ上げることだ。お前の場所を調べ上げた時点で、お前の正体にも気付いているぞ。」


 その看破できない発言にジャージ仮面は相手の警戒度を最大に上げた。


「悪いが、捕らえさせてもらう。」


 相手が笑みを浮かべ、ジャージ仮面を煽る。


「その傷で何が出来る。」


 ジャージ仮面の背中の傷について言及する。


「関係ないな。お前程度、捕縛するのに支障ない。」


 二人が睨み合い、同時に踏み込み拳同士がぶつかり合う。

 ジャージ仮面とクロの勝負が始まった。

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