第5話
「今日のヒーローニュース。」
テレビ画面を着けると、鹿児島で起こった事件が取り上げられていた。
美しい女性アナウンサーとイケオジが今日の事件の説明を始めた。
「今日のお昼ごろ、鹿児島の街中で鉄の化け物が暴走する事件がありました。今回のテロ事件の首謀者はヒーローの力を悪用する組織、屍能結社の仕業と国から発表がありました。」
「恐ろしいですね。国の発表が出ている通り、鹿児島でのテロが行われたもようです。」
「そしてそのテロを防いだのは勿論この人、ジャージ仮面。」
「ジャージ仮面が現れたことにより、怪我人のおらず、死者も出ていません。流石は我らがヒーローですね。」
「まったくです。周りに被害が及ばないように全ての攻撃を受け止め、一瞬で倒す強さ。やはり日本のヒーロージャージ仮面が最強だと思いますね。」
「私も同じ意見です。能力は身体強化とヒーローの中では地味に見えますが、直ぐに駆けつけてくれるスピード、そしてパワー、攻撃を受け止めても傷を負わないタフネス、私も総合力ならジャージ仮面が一番だと思います。」
「総合力なら? その発言から、君はジャージ仮面が一番ではないのかね。」
「私はカッコイイ人が好きなので、ジャージ仮面は未成年で顔出しNGなんで残念ですね。」
「何を当たり前のことを、見た目ではなくヒーローは実績だ。」
「顔も大事ですよ。」
「いいだろう。では存分に語り合おうか。」
「喜んで。」
四葉はテレビの番組を消した。
「アホらしい。もっと事件について話せよ。」
(姫さんに会いたい。姫さん、ヒーローニュース見てないかな。そして俺を応援してくれてないかな。)
「頑張って、ジャージ仮面。」
「勿論だよ。俺のプリンセス。」
四葉が馬鹿演技を一人で繰り広げている頃。
◇ ◇ ◇
学校では、姫が友人と下校していた。
「今日は四葉君、学校に来なかったね。」
「そうね。」
「やっぱり、寂しかった?」
「何、言ってるのよ。」
「顔が真っ赤だよ。」
姫の友人が姫をからかった。
「別にさみしくないわよ。いつでもまた会えるから。」
その一言に、友人は姫を心配をした。
「姫、頭、大丈夫?」
「それはどういう意味かしら。」
「ごめんなさい。」
友人が謝罪すると姫は笑顔を見せた。
「私、こっちだから。また、明日ね。」
「また明日。」
姫が友人と別れて家に帰るとテレビをつけた。
「今日のヒーローニュース。」
(彼がジャージ仮面である以上、いずれニュースに映る。だからきっと、また会える――早く会いたいな、四葉。)
◇ ◇ ◇
ある地点で謎の組織が動き始めた。
「自分たちのミスを私たちに押し付けたか。どこの国も、やり方が姑息だな。」
一人の男が歩み寄り、膝をついた。
「ボス、ジャージ仮面に潰された基地の回収作業はどうします。」
「鹿児島にジャージ仮面がいる以上、一時中断だ。バレたら、即座に奴が飛んでくる。」
「畏まりました。」
ボスと呼ばれた男が邪悪な笑みを浮かべる。
「せっかくだ。ジャージ仮面には私が直々に罠を張るか。」
ボスといわれる男はジャージ仮面の写真を握りつぶし闇の中に消えていく。
◇ ◇ ◇
指令室では、今日の報告会を聞くために、四葉のデータに回線を繋ぐと、馬鹿な演技を広げ、一人寂しく、枕にキスをする四葉が映し出された。
「これが日本の象徴か。」
この時、指令室にいたすべての人間がため息をつき、このことを墓場に持っていくことに決めた。
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