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第4話

 俺は今、九州の鹿児島に来ている。

 朝の時間、鹿児島の道路で化け物が暴れていると通報が入った。

 今日は、その鎮圧が俺の仕事だ。


「ジャージ仮面、待ってたぞ。」

「あんな怪物を倒してくれ。」

「日本のヒーロー。」


 到着すると、逃げていた人々が足を止めて、俺を応援してくれる。

 ありがたいが、取りあえず逃げてほしい。


 敵を一言で言うと、鉄だ。

 全身が鉄で出来ており、色んな形態に変化するらしい。


「首を傾げている暇があるなら、集中しろ。」


 耳元から司令の指示が飛んでくる。


 敵が鉄の剣を生み出し、ジャージ仮面に投擲する。

 ジャージ仮面は身体強化で体を強化し、鉄の剣を軽々と片手で受け止めた。


「お前のせいだぞ。今日は音楽の授業で、もしかすれば姫さんと、アルトリコーダーとソプラノリコーダーで一緒に練習が出来たかもしれないんだぞ。」


「クジだろう。」


「司令は黙ってて。」


「クジだろうとチャンスがあったんだ。休んだら強制的にペアは先生だぞ。」


「いいじゃないか。一番うまい人に教われる。」


「ハゲ頭は黙ってろ。」


 シャージ仮面が鉄の敵に接近する。

 敵は自分の両手に剣と盾を同時に作る。


 シャージ仮面はさらに身体強化のレベルを上げる。

 鉄の敵がシャージ仮面に向かって剣を振り上げ、切り裂くために振り下ろす。

 シャージ仮面は振り下ろされる剣を拳の一撃で容易く粉砕した。


 もう一撃、シャージ仮面は敵に打ち込もうと拳を握る。

 鉄の敵は、その一撃を防ごうと、前に盾を突き出した。

 シャージ仮面は躊躇なく、盾ごと鉄の敵を拳一つで簡単に粉砕した。

 鉄の敵はその一撃の衝撃により後方へ吹き飛んだ。


「俺の恨みを思い知れ。姫さんとのイチャイチャ音楽教室を邪魔した罪。万死に値する。」


 シャージ仮面は走り、吹き飛んだ敵に追いつき飛び上がる。


「喰らえ。シャージ・キック。」


 シャージ仮面の蹴り技により貫かれた敵は、盛大に爆発した。


「任務完了。」


 敵が倒れると、大きな歓声が街に響く。


「シャージ仮面、最高だ。」


「技名以外は完璧だ。」


「ありがとう、シャージ仮面。」


 シャージ仮面は手を振りながら、街の喧騒を離れる。


◇ ◇ ◇


 耳元から司令の声が届いた。


「シャージ仮面、どうする。鹿児島に一泊するか。旅費ぐらい出すぞ。」


「学校は音楽の授業が始まりましたか。」


「現実を見ろ。今は16時だ。もうすぐ学校は終わる。」


「何でだよ。国は判断が遅いよ。」


「怒るなよ。」


「怒るよ。」


「朝に通報を受けて、関西から九州まで三十分で駆けつけたのに、自分たちで解決すると言われて、最終的には俺が片付けたぞ。俺が最初に片付けていれば、ニ時間目には間に合った。」


「音楽の授業は一時間目だっただろう。」


「分かってるよ。間に合わないって分かってたから、譲ったの。」


「最終的には街に被害が出るし。」


「死者はいないだろう。」


「当たり前。」


「今回の事件が世に出たらまずいから、俺に街の中で討伐させたんだ。」


「頭は悪いが、着眼点は鋭いな。」


「さすがにね。ヒーローの仕事は多岐にわたるけど、本来の仕事はヒーローの能力を悪用する馬鹿どもの制圧。」


「そうだ。今回は、前回滅ぼした組織のアジトから回収された鉄の物体が暴走したのが原因だ。さすがに、自分たちの管理不足で暴走したとは言えない。だから町で暴れさせ、組織の仕業に見せかけたんだ。それを象徴であるお前が倒すことで、ヒーローニュースでは管理不足ではなく、敵の攻撃だったことに書き換えられる。」


「悪趣味だね。上の人も。」


「言葉は慎め。世の中はそんな単純に出来ていない。」


「はいはい。俺は平凡な中学生ですよ。」


(はぁ〜。姫さんとイチャイチャしたい。)


「取りあえず、鹿児島に一泊するよ。」


「わかった。ゆっくり休め。」


「了解。」


 四葉は仮面とシャージを脱ぎ、平凡な中学生に戻ったのである。

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