第4話
俺は今、九州の鹿児島に来ている。
朝に鹿児島で化け物が暴れていると通報が入った。
今日は、その鎮圧が俺の仕事だ。
「ジャージ仮面、待ってたぞ。」
「あんな怪物を倒してくれ。」
「日本のヒーロー。」
ジャージ仮面が現場に出る。
ヒーローの登場に逃げていた人々が足を止めた。
悲鳴がジャージ仮面の応援に変わる。
敵を巨大な鉄だ。全身が鉄で出来ている。
色んな形態に変化できる。
「首を傾げている暇があるなら、集中しろ。」
耳元から司令の指示が飛んでくる。
敵が鉄の剣を生み出し、ジャージ仮面に投擲する。
ジャージ仮面は身体強化で体を強化する。
投げた鉄の剣を軽々と片手で受け止めた。
「お前のせいだぞ。今日は音楽の授業で、もしかすれば姫さんと、アルトリコーダーとソプラノリコーダーで一緒に練習が出来たかもしれないんだぞ。」
「クジだろう。」
「司令は黙ってて。」
「クジだろうとチャンスがあったんだ。休んだら強制的にペアは先生だぞ。」
「いいじゃないか。一番うまい人に教われる。」
「ハゲ頭は黙ってろ。」
受け止めた剣を置き、敵を睨む。
シャージ仮面が鉄の敵に接近する。
敵は自分の両手に剣と盾を同時に生成した。
シャージ仮面は身体強化のレベルを上げる。
鉄の敵がシャージ仮面に向かって剣を振り上げる。 ジャージ仮面を切り裂くために振り下ろした。
振り下ろされる剣を拳の一撃で容易く粉砕した。
もう一撃、シャージ仮面は敵に向かって拳を握る。
鉄の敵は、一撃を防ごうと、盾を突き出す。
シャージ仮面は躊躇なく、拳を振るう。
一撃は盾ごと鉄の敵を容易く粉砕した。
鉄の敵はその一撃により後方へ吹き飛んだ。
「俺の恨みを思い知れ。姫さんとのイチャイチャ音楽授業を邪魔した罪。万死に値する。」
シャージ仮面は駆ける。
吹き飛んだ敵に追いつき飛び上がる。
「喰らえ。シャージ・キック!」
シャージ仮面の蹴り技が放たれた。
貫かれた敵は、盛大に爆発した。
「任務完了。」
敵が倒れると、大きな歓声が街に響く。
「シャージ仮面、最高だ!」
「技名以外は完璧だ!」
「ありがとう、シャージ仮面!」
シャージ仮面は声援に応えるように手を振る。
耳元から司令の声が届いた。
「シャージ仮面、どうする。鹿児島に一泊するか。旅費ぐらい出すぞ。」
「学校は音楽の授業が始まりましたか。」
「現実を見ろ。今は16時だ。もうすぐ学校は終わる。」
「何でだよ。国は判断が遅いよ。」
「怒るなよ。」
「怒るよ。」
「朝に通報を受けて、関西から九州まで三十分で駆けつけたのに、自分たちで解決すると言われて、最終的には俺が片付けたぞ。俺が最初に片付けていれば、ニ時間目には間に合った。」
「音楽の授業は一時間目だっただろう。」
「分かってるよ。間に合わないって分かってたから、譲ったの。」
「最終的には街に被害が出るし。」
「死者はいないだろう。」
「当たり前。」
「今回の事件が世に出たらまずいから、俺に街の中で討伐させたんだ。」
「頭は悪いが、着眼点は鋭いな。」
「さすがにね。ヒーローの仕事は多岐にわたるけど、本来の仕事はヒーローの能力を悪用する馬鹿どもの制圧。」
「そうだ。今回は、前回滅ぼした組織のアジトから回収された鉄の物体が暴走したのが原因だ。さすがに、自分たちの管理不足で暴走したとは言えない。だから町で暴れさせ、組織の仕業に見せかけたんだ。それを象徴であるお前が倒すことで、ヒーローニュースでは管理不足ではなく、敵の攻撃だったことに書き換えられる。」
「悪趣味だね。上の人も。」
「言葉は慎め。世の中はそんな単純に出来ていない。」
「はいはい。俺は平凡な中学生ですよ。」
(はぁ〜。姫さんとイチャイチャしたい。)
「取りあえず、鹿児島に一泊するよ。」
「わかった。ゆっくり休め。」
「了解。」
ジャージ仮面は手を振り終えると、姿を消した。
一人になった四葉は、仮面とジャージを脱ぎ、再び平凡な中学生に戻る。
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