旅立ちの理由(わけ)
カルミアが生まれてから、どれほど経ったのか。
時間の流れが崩れたこの星では、それすら曖昧になる。
けれど確かなのは、少女が確かにこの世界で「生まれた」ということ。
アヤメは、慎重にカルミアの手を取り、真剣な眼差しでこう言った。
「カルミア、この世界はもうすぐ完全に崩壊する。」
今も少しづつ崩れていってる
二人で地面に座り、アヤメは空を見上げた。
赤黒い雲が、まるで怒りの感情のように渦巻いている。
「カルミア、私たちフロラントは、世界の意思と共に花から生まれる存在だよ。
普通は、祝福と共に世界に現れる。でも君は…この滅びた世界で、たったひとりで咲いた。」
カルミアは不安げに、アヤメの顔を見つめた。
「それって…私は、間違った場所に生まれたってこと…ですか?」
アヤメは微笑んで、首を横に振る。
「違うよ。むしろ、君はこの世界が最後に選んだ希望なんだ。
世界の命が尽きる寸前、世界は最後の力を振り絞って、君を咲かせた。」
カルミアの小さな手が、アヤメの手をぎゅっと握りしめる。
「……君はこの世界にとって君は希望だ
だから、崩れるギリギリを保っている」
アヤメは、かつて自分が師から聞いた言葉がよみがえる。
『花は、咲く場所を選ばない。だが、咲いた花を世界は守ろうとする。』
「だから、カルミア。一緒に行こう。次の世界へ。」
そう言いアヤメは手を差し出す
「はいっ…行ってみたいです…!」
カルミアは差し出されたその手に自身の手を乗せる
"この手を取らないといけない
そう感じさせるのは、なぜだろう“
その言葉を聞き
アヤメは腰の鍵のような装飾に手をかけると、杖のような大きさへと形はそのまま
変化しそれを空にかざした。
「時間が余り無いから
すこ〜し、短縮するからね」
と宣言した後、アヤメの雰囲気がガラリと変わる。
「鍵よ、導け。
花の名にて命ず――
門よ開け。」
瞬間、空間が裂けるように“扉”が現れる。
カルミアが驚いて目を見開く。
「これは……?」
「**界門**だよ。私たち旅人だけが通れる道。
この門を抜ければ、次の世界に辿り着ける。
ただ、今回は短縮だから何処安全な場所とは限らないけどね」
カルミアは扉を見つめ、不安そうに言う。
「私……何もできないのに……」
アヤメはそっとカルミアの頭を撫でる。
「今はそれでいい。君はまだ“たった一輪のつぼみ”。
けれど、いつか咲き誇るよ!」
カルミアはうつむきながらも、小さく頷いた。
そして、アヤメとカルミアは手を取り合い、扉の向こうへと歩みを進める。
——すると同時に世界が崩れ去る
咲いた花を世界は、ギリギリまで
守ったのだ。
世界は力尽きたとばかりに
少しづつ崩壊していたのが
一気に崩壊を始めた。
最後まで読んでくださった方、ありがとう御座います!
多分続きも書くと思いますので見ていただいたら
幸いです!
私事ですが。
スマホのメモ帳に、小説などを書いていたのですが
久しぶりにメモ帳でこの話を読んで
一気に創作意欲が湧きたてられまして
書いてみました。
続きは、出来れば書きたいな〜と思っています。
その時は、是非読んでください!
ありがとう御座いました!