第5話 クノイチ250
2回目の「あんた」を聞きながし、そのあとに続く言葉にマツの体は固まった。
マツはそのままの状態でオーナー夫人のマシンガンのような説明を浴び、状況を整理していた。昨今の技術はすこぶる発展しておりダブルX年になると情報の解析もすぐである。
イマジンプレイヤーを筆頭にそのゲームを実況で楽しむものたちがゲーリオの死から、もしくはその前から独自に解析しリーク情報などを発信していたが信憑性は半々であった。
オーナー夫人もその一人で独自の見解や情報をべらべらと喋っている。その話の中で引っかかる言葉がいくつか出た。「童貞」「シンボル」「奪う者」「女体化」「魔法」マツの脳は休むことなく思考中でオーバーヒート寸前だ。
「というわけで、あんたを拘束する。」オーナー夫人の掛け声と共に店内の女たちがマツを拘束にかかる。マツは特に抵抗する事もなく拘束された。眠り薬を嗅がされながら、これで少しは休めるか。と思いマツはしばしの眠りに落ちた。
僕は変な気分だった。力が欲しいと願っていたら、こんなことになっちゃって。マツもきっと驚いているだろう。僕はゲーリオの思想と融合してしまい、ゲームの中に取り込まれてしまったようだ。そしてみなぎるこの邪悪性も悪い気分ではなかった。今なら何でも壊すことができるだろう。形あるものに限らずすべてをだ。ゲーリオは再び僕という器を得てリアル世界にも干渉することができるようになったのだ。欲望が暴走し留まることを知らない欲求をそのまま解放し、女も金もなんでも意のままに貪りつけそうだ。今まで経験したことのない快楽だった。この世界がずっと続けばいい。そう思った。
聞かされていた話と違ったのはデッドボーイズシステムが全男を死という形で排除するのではないという事だった。なんと男を女体化することにより男を排除するシステムだったのである。こうする事で人が人を死に追いやるエネルギーを消費する事もなく、そのあとの処理もする事なく女だらけのハーレムを目指せるというシステムであった。意外にもゲーリオは争いを好まないやつだったのかもしれない。そう思いつつも僕の欲望は膨れ上がるばかりであった。
フォン!!フォンフォン!
エンジンの調子は良さそうだ。私の愛車クノイチ250だ。お父さんのバイク好きが私にも受け継がれしっかりバイク女子に育ったのである。お父さんやお母さんの心配は重々承知の助!安全運転第一で今日も颯爽と走っています。先日の光の輪の出現以来今までの毎日とはちょっと世界が変わってしまったんだけどね。お父さんは無事だった。あれから解析が進んで女体化するのは限られた人だけらしい。結婚している男の人かつ一途な人は大丈夫なんだとか。本物の愛の前にはデッドボーイズシステムも及ばないみたいだね。
著作権など詳しくなく、自信がなかったので。本当はNinjaにしたかった。
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