表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚空を斬る勇者の剣  作者: すーだら
3/6

第3話 連呼

生まれたての光の輪は不気味に光り辺りを終末色に染めている。


「どういうこと?なにがなんで協力できない?」

「呼んでいるんだ。ゲーリオが。僕の心にささやいているんだ。」


まいった。マツは思った。友の心がゲーリオの思想に刺激されデッドボーイズシステムと

共鳴してしまったようだ。友の心がここまで弱っていたとは思っていなかった。

触れれば崩れるくらいギリギリの所で保っていた心の均衡が一気に崩壊し、ゲーリオの思想に飲み込まれてしまった。


「まずいまずいまずい!まずいぞ!」人間パニックになると同じ言葉を連呼してしまうらしい。この光の輪に影響されて友と同じようなやつらがたくさん湧くかもしれない。

今の俺の力ではこの場をどうする事もできない。しかしやるだけの事はやってやろう。


「おいっ!しっかりしろ!」友の顔を2,3回ひっぱたくが、正気には戻らなさそうだ。

逆に、光がなかったその目に光が宿ろうとしている。どす黒い深い闇の光だ。

身の危険を感じたマツは友の襟首を放し、辺りを見回した。

いつか友を正気に戻らせる方法が見つかった時、その手助けになるような、記憶を呼び戻すことができるような物はないか部屋の中を物色した。


不気味な光が辺りを染める中、その光を反射して輝いている物があった。

「ガラスの瓶?・・・香水だ。」女性の体や羽を模ったマリアと天使の羽のようなデザインである。友がゲーリオと共鳴し、おかしくなっていく中でマツは少し安らぎを感じた。

と同時に友の趣味にも少し距離を感じたのである。

マツはその小瓶をもって部屋を出た。友は依然おかしくなりながらだんだんと狂気を増していく。「いつかまた会えるときまでグッバイ!」そう友に声をかけ走りだした。



マツが自宅辺りまで帰ってきたころ、不気味だった空はまだ薄暗かったものの、いつもの平常を取り戻そうとしていた。いつの間にか光の輪も消えていた。

ゲーリオ・マッシブの死を経ていきなり発動したデッドボーイズシステム。それに共鳴し

狂ってしまった友。マツも右に左に脳を揺さぶられ疲れていた。一服しようと思ったが

ちょうどタバコを切らしていたので最寄りのコンビニに寄ることにした。ここにはお気に入りの店員がおり、マツの行きつけとなっていた。いつもタバコを買っているのだ。今日もニコニコのあいつはいるかな?

「よっ、兄ちゃん!タバコくれ」

「いらっしゃいませ!いつものこちらでよろしいですか?」

そうそうそうと頷き、いつものルーティンを終わらせようとしたマツは目を疑った。


読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ