第九話
「さて、リストによると次はあやしい壺でしたかな?」
パフェ女の一件を話したあとゲルト君はうなずきながらつぶやく、そういやそんな話もしていたなー。
「どのようなものか楽しみですな魔王様、報告待っておりますゆえではいってらっしゃいませ」
「うむ、いってくる」
そういうとオレは扉をくぐる、そう今回なんと怪しい壺を売りつけにきたものが現れたと報告を受けたのでどのようなモノか見に行くのである、あーたのしみのはずがー。
「まあまあアナタがここの店主!?」
そこにまっていたのはお店の一角を陣とってあきらかにデタラメな僧侶服を着ているお年をめした老婆であった。
「あなた、アナタね、この店にはちかいうちに大きな不幸がおとずれるわ、ね、悪いこといわないからこの壺買って不幸を回避しなさい、いいわね?」
そういいなが老婆はこれ見よがしに腕や首にかけた宝石をジャラジャラならして話しかけてくるが、どうみても宝石は魔力のこもっていないただの宝石、まぁ人間ごときがこれほどの宝石をジャラつかせるのは大したことなのだろう、俺の腹心のひとり宝石の悪魔カットールにおよぶべくもないが。
しかしながらこの壺にはがっかりである、てっきり何かしらの仕掛けがあるかと思ったがただの粗悪品の壺である、こんなもの魔王たる俺の眼前によくも出せたものだ、といまはただのパフェ店の店主か、それにこの老婆の言い分も聞き飽きたので帰ってもらうことする。
「婆さん、悪いがウチにそんなものはいらないから、帰ってもらえるかな?」
それを聞いた老婆が顔を真っ赤にしてすてぜりふを吐いて店をでる。
「あらあら、そんな事いってもいいのかいそのうち大きな不幸がおとずれるよ!?」
しかし翌日大きな不幸がおとずれたのは老婆のほうであった、ねんのため店の周辺を暗殺系の人形の魔物に見回らせていたら夜中に怪しい連中を10人捕縛、締め上げてはかせたところ昼間の老婆に雇われたの事、それを証拠に警備所に連行、捜査、証拠をつかんで老婆逮捕にいたったのである。
老婆はこの辺では有名な悪徳業者だったらしく逮捕のきっかけとなった俺はとても感謝されることとなる。
「魔王なのに感謝されていいのか俺・・・」