第八話
「ああ、あれが報告書にあった"知らないうちに増えている借金"ってやつか」
別の日、しごとをしている時にあのニセの借用書を持ってきた三人の事をふと思い出す、あの男三人組はどうしているだろか、まあ全く気にはしていないのだが。
「さてと、今日の分は終わったから、マロンちゃんのところいくか」
俺はそういうと扉を開ける、と男の声が聞こえてくる。
「おや、店長おはようございます!」
その瞬間んんんー? と声をあげる、なんで男の声がするんだが?
「あぁー、店長まいど☆ あ、この人達は私の強さに惚れて弟子入りしたんですよー☆」
まろんちゃんがニッコリしながら魔王に微笑む。
「そうなの、それはよかったね、けど今度から相談してね?」
念をおすとハイー☆と返事して消えていくまろんちゃん、まあ強さに惚れて下につくのはわかるけど、そう考えながら席につくと声をかけてくる女性が近づいてくる。
「あらぁー、久しぶりぃ~」
魔王たるおれにこえをかけてきたのは、センスの悪い香水をプンプンさせて胸をやたら強調してくる30代前後の女性であった。
"これが知らないうちに増える親戚ってやつか"
「店長、おれが追っ払いましょうか?」
雰囲気でさっした男が魔王にこえをかけるが、手をだして制する。
「ふふふ、なぁにまかせたまえ」
その自信タップリのこえに感嘆の声をもらす男達、まぁみておきたまえ諸君。
「さて、どなたでしょうか、私には親戚が数える程しかおりませんが?」
女はじっさいには無い事をみごとにペラペラとしゃべりだす。
「いやん、そうね私ったら十年ぶりだもの忘れていて当然よね」
"十年だったら、覚えているわぁっ!"
と、叫びたくなる気持ちをおさえて作戦を実行すると、いってもただのイタズラみたいなものであるが。
「あー、そういえば思い出したかなー、確か
コラちゃんだったかな」
実際にいる親戚である、火を操る龍の血を引いていて激辛好きのおてんばである。
「そーそー、コラですお久しぶりですぅー」
わざとだした名前にくいつく女、詐欺まるだしではないかと思いながら言葉をつづける。
「そうだ、久しぶりにパフェでもくうか? ここのはおいしいぞ」
おれはそういうとマロンに辛いパフェをつくるように指示する。
「ほんとに、嬉しいー♪」
女性は嬉しそうにいうが演技がバレバレである、適当な話で濁して相手の情報をひきだす、やはり真っ赤ウソである、そんなことをしているとパフェが運ばれてる、見た目が甘々で辛く見えない。
「さあ、食べて食べて」
「ありがとぉー」
そして一口食べた瞬間うごきがとまる、そして汗が吹き出してくる。
「おまえ、その激辛パフェ好きだったもんなぁ。おいしだろ?」
俺はそういいながら、にこやかにほほえみかける、どうでる諦めて土下座するか、そうおもいながら観察していると予想外の行動にでる。
「うん、おいしい~」
そういいながら一気にパフェをたいらげる、そして大量の汗を吹き出しながらたちあがる。
「ちょっと急用思い出したから帰るね、じゃあね!?」
そういうとダッシュで店を飛び出していくのであった。
「あの女パフェたいらげていきましたぜ、、、」
それをみて感心する男三人と俺様。
「意外に根性あったなあの女」
そう言いながら感心するのであった。