第七話
「えー、では今回の議題は魔王様発案の宝くじについてなのですがー」
あれからゲルド君があっというまに各部署を回り話をまとめて、詳細を決める会議を開くまでにこぎつけるまてあっというまであった、みんな新しい企画にノリノリだったので反対するものは1人もあなかった、まあ俺が発案だって言って反対するひといないかぁ、さて会議も終わりそうだし後で人間界の様子見てくるかー、など考えているとゲルド君の会議終了の言葉を告げる。
「えー、魔王様では今回はこのくらいでよろしいでしょうか?」
「あ、うんいいんじゃないかな? みんなお疲れ様です」
俺がそういうとみんなの気が緩みホッとした顔になる、そして全員が会議室を退出したのを見送ると立ち上がり例の扉から人間界に向かうのであった。
「あ、魔王さまちょうどいいところにきてよかったー(汗)」
扉をでるなりマロンが行きなり泣きついてくる、うんどうしたというのだろうか? マロンにはだいたいの権限をもたしているのだが?
「どうしたのだ?」
俺が不思議に思って尋ねると、とにかく袖を引っ張っていく。
「あ、わかったからわかったから」
俺がそういってお店のホールに連れていかれると、男性の怒鳴り声が聞こえてくる。
「だーかーらー、ちゃんと借用書もあるわけよ!?」
スキンヘッドにいかにもガラの悪い男は筋肉モリモリの男性二人を従えて偉そうに椅子にふんぞり返っていた。
「おや? うちの者が何かしましたか?」
俺が店長モードになってでていくと従えていた筋肉男がこちらを睨み付ける。
「てめぇは誰だぁ?」
お決まりのセリフをはいてくるのでため息まじりに自己紹介する、無論人間用の紹介である。
「私に用があるのではないのですか?」
「てめぇが店長か、この借用書キッチリはらってもらおうかい?」
そういうと男か借用書を突きつけてくるが実にお粗末なものであった、店の名前と私の名前は調べたのだあろう、そのへんは書かれているのだが内容はちょっと書き物が好きな者であれば書ける法的効力がない全くのデタラメであった、第一魔術による制約すら感じられなかった。
「おや? 全く穴だらけでの書類ですね、悪魔の方がよっぽどマシな書類を書きますよ?」
俺がそういうと真ん中の男は顔を真っ赤にして言葉にならない威嚇をはじめる、全く意味をなさない言葉であるこれならエルフの高速詠唱の方がよっぽど美しい、等考えていると後ろに控えていた男が俺の余裕の態度がよっぽど気に入らなかったのか腕力に任せて殴りかかってくる。
「そういうのはバツだよ☆」
マロンがその男の手首を片手で掴み拳をとめる、マロンちゃんはサキュバスクィーンで魔物だから単純な腕力勝負ならこの程度相手にならない、あんカッコいい!
「な、、、? このアマなんちゅう力しよるんじゃ、、、」
男なその様子を見てもう1人の男がマロンちゃんの背後から襲いかかろうとするが空いている手でその男の顔面を掴み締め上げる。
「あだだだだ、放してぇー」
ミシミシという音ともに情けない声をあげるも途中で余りの痛さに気絶して床に崩れ落ちる。
「ひっ」
その様子を見て男は短い悲鳴をあげたので、俺が低い声で脅す。
「おひきとりください」
男は無言で首を縦に振り、気絶した男を担ぐと店を脱兎のごとく飛び出していくのでその様子をみながらマロンちゃんにたずねる。
「マロンちゃんだったらあんな男達対処できたんじゃないの?」
「まぁ、そうなんですけどぉー、本当に魔王さまのお知り合いだったら無礼かなーっと思って」
マロンちゃんがちょっと照れた表情でそういうのでなんとなく癒された気分になり椅子に座るとパフェを頼む。
「はぁーい、パフェひとつアザお☆」
マロンちゃんはそういうと店内の奥に消えていくのであった。