第五話
執務室に急いで向かうと、辺りを見回して誰もいない事を確認して急いで扉を閉めてる。
「よしよし、これでゆっくりと報告書が読める」
俺はそういうと腰をおろし、数ある報告書から宝くじを当てた人間の報告書を取り出すと読み始める。
「なになに」
この報告書には以下の事が書かれていた。
第一に、宝くじを当てた人間は情報を秘匿しているにもかかわらず、どこからか漏れてお金目当ての人間がよってくること。
「なになに、めっちゃ怖いんだけど」
そんな事を言っていると横から声がきこえてくる。
「何が恐いのでしょうか魔王様」
「おわっ! ゲルト君? いきなりビックリしたなぁもう」
「はぁ、すいません、何回かお声かけしたのですが」
謝るこの男性の魔族は、魔王軍の管理を任せている短髪イケメンの独身男性である、まあそんな事はどうでも良いのだが。
「なになに、宝くじですか?」
報告書を読んでゲルトがパアッと明るい表情をする、なんか思いついたな?
「さすが魔王様、なるほど宝くじをつくって人間どもから合法的に、しかもすみやかに金品を回収するてはずなのですね、このゲルト感服いたしました」
「あ、うんそうなの、いい案だと思わない? それで報告書つくらせていたんだー」
その場の流れでなんとなく合わせてしまい、謎の罪悪感に苛まれる、自分であてたやつだから他人に言う義務はないのに。
そんな俺の気持ちは当たり前だけど、知らないままにゲルトはアレコレと考え始めるのであった。