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魔王、宝くじを当てる  作者: 貼りマグロ
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第四話

 我が城に帰還すると、足早に自室に入りマロンから受け取った報告書、おもに宝くじを当てた人間に関する報告を読もうとするのだが、こういう時に限って邪魔が入る、いや邪魔と言ってしまってはダメだな向こうも仕事でこちらに話かけてくるのだから。


 「魔王様おかえりなさいませにゃー」


 そう言いながら耳と尻尾をピコピコさせながらやってくるのは出かける際にも見送りにいたケット・シーのにゃんくるである、人間の子どもみたいな見た目がまた愛らしい。


 「うむ、今帰ったぞ、ところでどうした、書類に不備でもあったか?」


 我輩がそういうと、にゃんくるが慌てて手を振る、ならばどうしたというのだろうか?


 「いや、その、お土産ないかなーと思いましてなゃ」


 その言葉に思考をめぐらせ、過去というほどでもないが記憶を遡らせる。


 "お土産を買ってきてやる"


 その言葉を思い出しハッとなる、我輩一生の不覚! 宝くじの事で頭がいっぱいで忘れていたとは!


 「うむ、にゃんくる、そのなんだ」


 どうやって言い訳しようと思案していると、にゃんくるが突然クンクンと匂いを嗅ぎ始めると、我輩の報告書の入った鞄を指差してニッコリと、明るい表情で微笑みだす。


 「にゃんだー、魔王様、ちゃんと買ってきているじゃなゃいですかー」


 そういわれて頭をかしげる、はて? 買った記憶はないのだが? そう思いつつも鞄を開けると中には、今回は購入を忘れたはずの"ホッケ"と書かれた包みが入っていた。


 「うむ、ちゃーんと買ってきておるぞ、ほれ」


 首をかしげながらも、にゃんくるにそれを渡すと文字通り跳び跳ねながらさっていくのであった。


 「いや、しかしいつのまに誰が」


 疑問に思いつつも、もう一度鞄を見ると一枚のメモが目にはいってくる。


 それをてにとって見るとメモにはこう書かれていた。


 "魔王様、今回も多分にゃんくるちゃんにお土産頼まれていると思いますから、好物のホッケ一緒にいれておきますね☆ 前みたいに忘れて泣かせちゃダメだぞ☆ マロンより" 


 「おお、神様、マロン様、、、」


 そのメモを見てマロンの察しの良さに感謝するのであった。

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