死にたいので、心中用に奴隷を一人買ってきた。
彼は、普通の男でした。
ただ少し不運で、少し歪んでいて、そして、そんな些細な歪みに囚われていた男でした。
生きるつもりもありませんでした。でも、一人で死ぬのは怖かった彼は、一人の奴隷を買うことにしました。
ただ、ともに死ぬだけの、可哀想な奴隷を。
*以前別のアカウントで掲載した作品です。
ただ少し不運で、少し歪んでいて、そして、そんな些細な歪みに囚われていた男でした。
生きるつもりもありませんでした。でも、一人で死ぬのは怖かった彼は、一人の奴隷を買うことにしました。
ただ、ともに死ぬだけの、可哀想な奴隷を。
*以前別のアカウントで掲載した作品です。
奴隷市場を見て回るのが好きだった。
2020/11/08 02:17
あの世まで一緒だ。
2020/11/08 19:00
いい買い物をした、と思った。
2020/11/09 19:00
シアワセな自殺がしたかった。
2020/11/10 19:00
今日は、飯を食いにいくことにした。
2020/11/11 19:00
俺も、俺である前に一匹の動物であったわけだ。
2020/11/12 19:00
あいつを売って一日経った。
2020/11/13 19:00
「捨てたくなかったのは俺だ」
2020/11/14 19:00
取り戻すのだ。
2020/11/15 19:00
全能になった気分だった。
2020/11/16 19:00
「なに、欲しい物があっただけさ」
2020/11/17 19:00
それでも鬱憤は晴れなかった。
2020/11/18 19:00
「……クソが。戯曲やってんじゃねえんだぞ」
2020/11/19 19:00
返事はしなかった。
2020/11/20 19:00
「ルナ。ルナ・ペンデュラム」
2020/11/21 19:00
江歴1890年 延喜の月十日
2020/11/24 19:00