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感謝の印

作者: 南郷 進

もう駆け出したい。

重たくなった感謝の印から離れて。

もう一度会いたいと思うなら、ここで終わらせて。

もう二度と戻らないと思うなら、ここで別れて。

そんなに悲しむことじゃない。

もう使えない思い出が増えるけど、いつものこと。

もう話せない思い出ばかりだけど、どうしようもない。

新鮮な挑戦だったはずなのに、いつも間違ってばかり。

腐敗した挫折と釣り合って、感動と感激を手放した。

もう駆け抜けたい。

溶けなくなった懐疑の檻から逃げて。

もう一度語り合いたいと思うから、ここなら忘れさせる。

もう二度と誤らないと思うから、ここなら誤魔化せる。

和やかな部屋に、そっと亀裂を入れて。

穏やかな空気に、こっそり沈黙を混ぜて。

憎しみに染まる感謝の気持ちを込めて。

駆け出した私の後ろ姿、ひっそり小さくなっていく。

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