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赤土の象引き王

作者: 影迷彩

ありえない話をしよう、砂漠に雪が降った日を。


その日、砂漠を通る数頭の象がいた。先頭の象には金と宝石のアクセサリーを身に纏った王が乗っていて、象を率いてきらびやかな装飾を太陽に反射させていた。


王は象を率いて土地から土地へ居住を移動し、涼やかな土地を探していた。王は赤土の砂漠の熱さが嫌いで常に不平を抱き、象に不満を言っては、象の鼻からシャワーを浴びて身体を冷やしていた。

王は常に象に囲まれ、彼らを率いて旅を続けていたが、中々涼やかな土地は見つからなかった。


ある日、象のシャワーが凍ってかたまった。その土地は、今まで訪れた土地よりも冷えていた。

王はようやく涼やかな土地にたどり着けていたことに喜んだが、彼が率いた象は全て凍り漬けになり、雪像のように動かなくなった。

王は困った。象がいなくては、どこにも移動出来ないからだ。

身体は冷え、王の身体も固まりそうになったときだ。象の凍った鼻のシャワーが溶け、はらはらと雪のように散った。象は動きだし、冷えて固まる王に寄り添いお互いの身体を抱き合った。

王は冷えた土地から離れ、象と共に旅を続けた。二度と不平は言わず、日の光を象と共に浴びながら赤土の砂漠を愛しんだ。








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