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第66話 2回目の

オレはそのままマコのほうに目をやる。

マコは祈るような手つきをしたままこちらを見ていた。

オレは大勢が見ている前でマコに向かって礼をし、大声で叫んだ。


「近内マコトさん! 本当は大好きだったのに勘違いと強がりで傷つけてしまってゴメンナサイ! もし許してくれるなら元通りに戻って下さい! オレを彼氏にして下さい! よろしくお願いします!」


一瞬静けさに包まれる会場。

そのうちにやんややんやとの声が溢れる。

マコは震えていた。


その内にこちらに向かって駆け出してくる。

オレは彼女を受け止めようと両手を広げてその場で待った。


だが目の前に来た瞬間マコの姿がそこから消えた。

いや、実際には消えていなかった。

体を横回転し、オレの肩から胸にかけて大きく踵落とし!


胴回し回転蹴りだ!


オレは無様に目を回して畳の上に転がってしまった。

すかさずマコはオレの胸の上に飛び乗る。


「なんだとテメー。そんな虫のいい話があるかよ。ふざけんな!」

「ひゃ、ひゃい」


「ウチは傷ついたんだぞ! もう忘れようと思ったのにノコノコ顔出して来やがって!」

「マコごめん。本当にゴメン」


「許さねぇ。テメー。責任とれ!」

「は、はい。あの〜。その〜。責任を取って、一生側にいます!」


マコにフッと小さく笑った。


「それでいいんだよ」


マコはそのまま体を曲げてオレに口づけをしてきた。

オレもそれに合わせる。そして顔を合わせて微笑み合った。


「……やっぱ、短髪よりも長髪の方が女らしくていいなぁ」

「何だとてめぇ!」


マコはオレの道着の襟首を掴み上げ、畳の上に落とした。


「いで!」

「テメーがあんなこと言ったから、短くしたんだろうが!」


「あんなこと? 今、頭強く打ちすぎて忘れたんだけど」

「はぁ? じゃ、もっと強めに殴って思い出させてやるか?」


「ごめんなさーい。ウッソでぇ~す……」

「バーカ。……いっぱいいっぱい練習したんだな。神納先輩に勝つなんて」


「まーな。お前に許して貰いたい一心で」

「そっか……」


大勢の見ている前でマコは寝ているオレにハグをしてきた。


2回目のプロポーズであり、

2回目のマコからのキスである回でした。


次回はいよいよ最終回。

本日正午投稿です。

お見逃しなく!

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