第21話 テツ、キレそう
マコのことが気になってしまい、顔を合わせるのが辛くなってしまった。
一緒に登校するのも、部活があると言い訳して別々に登校するようになった。
胸が締め付けられる。
マコに彼氏が出来たのなら一緒になって喜んでやるのが親友の務めだとだと思う。
だがそれが出来なかった。
テスト期間になった。みんな部活は休みだ。
授業も早々に終わり、ついマコの方を見るとテツと何やら話していた。
「もっと女らしくしろよ。男みてーな話し方してっからじゃねーか?」
「うん……そうかも……それがイヤなのかなぁ……」
そして大きくうなずきながら二人でこっちを見た。
目が合ってしまった。オレは急いで帰る準備をしようとせかせかしていると、マコは普段着な感じで話しかけて来た。
「あのー。リュージ。一緒に帰って勉強会しねぇ? ……しない?」
やはりマコの声はいい。
その言葉にオレのテンションはあっという間にマックスになった。
勉強会? クソくらえだ。と思ったが、思い直した。
彼氏がいようとどうでもいい。マコと一緒にいたかったんだ。
「いーぜ。どっちンチ? オレんチか? マコんチ? それともテツんチ?」
「いやぁ。テッちゃんはこないよ」
オレがテツのほうに目をやると足早に教室を出るところだった。
「テツ! ちょっと待て!」
だがテツは待とうとしなかったが追いかけてその腕を掴んだ。
「おい。テツなんで帰るんだよ。一緒に三人で勉強しようぜ?」
「はー? オレ別に用事あるし。マコと二人で仲良くやりゃいいだろーが」
「いやぁ。なんか二人だと……」
テツは強引にオレの肩に手を回し、顔を引きつけた。
「オマエ、なんで最近マコとしゃべってやらんの?」
「い、いやぁ」
「マコ泣いてっぞ。いい加減にしろよ。テメー。キレるぞ!」
そう言いながらテツはオレの胸を強く押し、さっさと下校してしまった。
今日は12時くらいにもう一話アップします。




