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第18話 あごクイ

テツが帰った後、いつものようにマコをコンビニに誘った。

普通に雑談をし、コンビニで少し雑誌を立ち読みして帰ると言うだけなのだが。

話すのがメインだったからコンビニなんてどうでもよかったんだ。


ふとテツの言葉を思い出す。


「あんなに可愛いのに」


あ〜。そう言えば。

チラリとマコを見てみるがいつもの感じだ。

自分の見方が悪いのかと思い、街灯の下に来たときマコのアゴに手を当ててクイっと自分の方に上げてみた。


「キャ……!」

「動くなよ。じっとしてろ」


「え……」


マコはそのまま赤い顔をして目を閉じた。

目を閉じられると可愛いかどうかの判別に困る。

顔を近づけてまじまじと観察した。

人差し指で触れない程度に表面をなぞってチェック。

毛穴も見えないし、潤いもある。ニキビなんてない。健康的は肌。唇もふっくらしててキレイなもんだ。

まぁ、でもこれを女として見るならば可愛い部類だろうなぁと思った。


その時、人差し指がマコの唇に当たってしまい、オレは身を引いた。

マコも驚いて目を開けた。


「え? お、終わり?」

「ああ。終わったよ」


マコは自分の唇を抑えていた。


「そっか。終わったんだ。……チョンって感じ?」

「は? まーな」


意味が分からない。新しい言葉かも知れない。

だが知らないと思われるのも嫌なので適当に答えておいた。


その後のマコはなぜか必要以上にくっついてきた。

腕をからめて寄りかかってくる。

街灯の明かりで出来たオレたちの影はカタカナの『ト』。


「なんなんだよ。重てェ」

「いいじゃぁん。バカァ〜」


なんでバカと言われなくちゃならねぇのか。

若干ムカついた。

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