第14話 戦勝のお守り
マコとの休日の時間が少なくなった。
オレは部活がないときは別の仲間を連れて釣りに行ったり虫取りに行ったりしていた。
ある時、マコが大きい空手の大会に出場することになった。
応援しに行きたかったが、その日はオレも部活の遠征があった。
一年だし先輩の応援だけなので休んでマコの方の応援に行きたかったが、親に怒られた。
そこでテツに相談した。
「ああ。だったら神頼みじゃねーか」
「はぁ?」
「隣町の山の上に戦勝の神様の神社があるの知ってるだろ?」
「ああ。あるなぁ」
「あそこのお守りを買ってこればいいじゃねーか!」
「おー! それいいな!」
オレとテツは休日の午後から部活の時、朝早く起きて神社に向かって自転車を走らせた。
神社のお守り売り場が開いている時間に行かなくては意味がないからだ。
自転車を神社の駐輪場に停め階段を400段登って、たどり着いたお守り売り場。
オレもテツも長い間、自転車を走らせ階段を登って疲れ切っていたが、この後には部活もある。早々に二人で金を出し合って一つのお守りを買おうということになった。
戦勝のお守りは千円だった。
お守りの値段を舐めていた。
おみくじが百円だったのでそれくらいだと思っていたのだ。
テツも同じだ。
二人合わせて600円。
ここまで来て、空しく帰るのもしゃくだ。
オレたちは代わりのお守りを探した。
他にもお守りの種類があったのだ。
その一つにとっても気に入るデザインのものがあった。
しかも、書いてある字もいい。
オレがそれをつまみ上げてテツに見せて言葉の意味を説明するとテツも賛成した。
これにオレたちの思いが込められている。
それを持ってオレたちはマコの家にそのまま自転車を走らせた。
今日は12時にもう一話アップします。