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第12話 おかしいぞ?

入学式も終わり、クラスへ向かうとクラスも同じだった。

せめて離れてくれりゃー考えなくて済むのに。

先生が自己紹介し、クラス委員を選ぶことになった。

そこで先生がこう言った。


「えー、6つの小学校から本中学に集まってくるわけですから知らない人も多いと思います。今回のクラス委員は先生が指名したいと思います」


うそだろ。オレになるんじゃねーだろうな。


「男子は長谷川誠君」


お。オレじゃなかった。よかったぁ。


「女子は近内実さん」


誰だそいつ。


「はい」


うぉ! マコじゃねーか。


マコは返事して立ち上がった。

その歩く姿。長い髪に女子の制服。

すげーよく似合っててなぜかポーとしてしまった。


マコとその長谷川……マコトは前に立って互いに自己紹介した。

その後で、マコが可愛らしく微笑んだ。


「同じマコトだね。よろしく!」


と、手を出した。それに応じて長谷川も


「こちらこそ」


と言いながら、ガッチリ手を握って握手を交わした。


驚いてオレはイスの音を立てて立ち上がった。

教室が静寂に包まれ、みんなオレの方を向いていた。

先生は名簿を見ながら言った。


「……どうしました? えーと君は……白井君。座ってください」

「は、はい」


先生に促されて、マコと長谷川くんが結んでいる手を見ながらゆっくりと座った……。

マコはそんなオレを見ながら口を押えて笑っていた。


なんだ? この感情。

胸がトキトキと冷たく鼓動を打った。


たかが男と握手しただけじゃねーか。



でも、休み時間はやっぱりマコと一緒にいた。

気になるのは制服だけだ。ジャージになっちまうと全然普通だ。

新しいカバンでお互いの背中を叩きながら帰った。

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