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パトリシア・アーデルハイド

 


「それでは、お茶会会場でお会いしましょう」


 そう言ってソフィア様は馬車に乗り込む

 お茶会には侍女や従者の人数の関係で二つの馬車で行く事になった

 前を走る馬車にはエドガー様とミランダ様、ソフィア様、そしてお父様のお付きの従者とソフィア様付きの侍女、そして護衛が乗り込み、後ろを走る馬車に、わたしとミシェル、そして執事であるクラウスとルーカスが乗り込んでいる

 明らかに差別化を図ろうとしている意図が隠れもしない分け方に、ミシェルはいい顔をしなかったけれど、わたしはこっちの方が気が休まるので助かるというのが本音だ

 クラウスとルーカスも、元々わたしに付いてくれている執事なので、あまり気を遣わなくていい。どうせお茶会では気を張り続けないといけないのだから、移動中ぐらい気を抜いたって罰は当たらないだろう



 そもそも今回のお茶会は、お祖母様であるパトリシア・アーデルハイド様が主催した、古くよりアーデルハイド家と関わりのある家の者だけが参加する、所謂身内だけの小さなパーティーで、普段ならそう気を使うものでもないし、他の家との交流を図るものに比べたら気安いものではある

 ただし、今回は普段のそれとはきっと大きく異なる

 その原因は当主であるエドガー・アーデルハイド様の十数年振りの参加であって、彼の新たな妻と娘、ミランダ様とソフィア様の存在である

 ただでさえ、十数年参加していないアーデルハイド家の当主の参加に、注目する者は多い。その当主の新たな妻と娘の存在も、注目の的となる事に違いない

 数ヶ月に亡くなったばかりの前妻、前妻との娘と変わらない年頃の新たな娘、それも少し前まで前妻の娘がつけていた当主の第一子の証を着けているのだから、皆の興味は全て注がれるだろう

 もしも、もう少し色々な人がいる場だったら、どんな憶測が飛び交うかわかったものじゃない

 身内だけとはいえ、集まってくる視線と注目を思うと頭を抱えたくなるものである


「はぁ.........」


 思わず零れたため息を咎める者も、意図を言及する者もこの場にはいない。いないからと言って褒められた行為ではないけれど


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