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7話

クロスドミナンス7


笠松ヘラと八木沢みおはじゃれ合っていた。

一緒に雪を投げて、雪合戦というところだろうか?

顔に雪玉投げられた八木沢みおは言う。「もぉ卑怯だよヘラちゃん」

しかし、そこに立って居たのはヘラでは無く、よく似た金髪青目の女の子だった。

八木沢みおは「ヘラは、虹彩異色症だったハズ・・・」と言う。

その少女は、八木沢みおに拳銃を突きつける。

その少女が引き金に手を掛けた。

八木沢みおが死を覚悟した瞬間。

横からよく似た少女が飛び出し、そして、その拳銃を持った青目の少女を押し倒す。

その後に銃声が響く。

八木沢みおは言う「ヘラちゃん!?」

笠松ヘラはその青目の少女の首を絞めていた。

笠松ヘラは言う。「足で手を押さえている今のうちです。トドメを」

八木沢みおは青目の少女から笠松ヘラを引き剥がす。

青目の少女は立ち上がり言う。「私はあなたを殺そうとした。なのになぜ助けた」

八木沢みおは言う。「あなたの名前が聞きたいの」

青目の少女は「なぜ聞く必要があるのだ」と言う。

笠松ヘラはあきれた感じで言う。「ほんとにみおさんってお人好しですよね・・・」

青目の少女は言う。「イ・エギョンって言うわ」

八木沢みおは「・・・韓国の人?」

青目の少女、イ・エギョンは答える。「私は香港で生まれ、生まれて間もなく、韓国人の両親に引き取られたわ。漢字では、こう書くわ」といい。

ポケットに挿した万年筆で李 愛敬と書いた。

八木沢みおは言う。「日本語が、お上手ですね。ていう事は、日本名もあると思うけど?どう?教えてくれない?」

笠松ヘラは言う。「笑顔がまぶしい・・・」

イ・エギョンは八木沢みおのまぶしい笑顔に負けたのか、

「私の日本名は青木陽登よ」といい青木陽登という風に書いて八木沢みおに渡す。

八木沢みおは言う。「陽登・・・いい名前ね。珍しい字だね。」

イ・エギョンは言う。「みんなの前ではいえないけど・・・実は青木陽登の名前が好きなの・・・」

八木沢みおは言う。「まぁ、お国柄故に難しいよね・・・」

イ・エギョンは言う。「私、ずっと日本で生きていたい!!」

イ・エギョンは続けて「でも、日本人には韓国人って馬鹿にされるし、韓国人には日本かぶれって言われるし・・・」と言う。

八木沢みおは悩んでいた。

よい答えが見つからないのだ。

笠松ヘラが言う。「うちに来てみない?ただし、銃はここに置いていってね?」

イ・エギョンは言う。「いいの?」

笠松ヘラは「陽登ちゃんのさ。親と相談してうちの養子に来ない?私の家系、母がオランダ人なんだ。だけど、私の母は社会の日本史の教師をしているの、だから、差別とかの苦労は知っている。だって、日本人じゃないのに、社会を教えるなとかね?」

イ・エギョンはこれからはここでは青木陽登の名前で呼んで欲しいと頼みこんだ。

私はたちはこれを快く受け入れた。


次の日、笠松ヘラは校門にボーッと立って居る、青木陽登に声を掛ける。「おはよう。陽登ちゃん」

青木陽登は「おはよう。」と返した。

そこに山県優菜が来て言う。「今日も若干雪がちらついていますね」

笠松ヘラは「寒い・・・早く教室に入ろっ?」と言う。

青木陽登は「そうですね 」と言い。

3人は教室を目指す。

青木陽登は笠松ヘラのクラスに体験入学という形になった。



授業が順調にすすんで、3限目になった頃だった。

青木陽登の親が教室に来て言う。

「エギョン帰るわよ!!!」

青木陽登は断る。

「嫌!!!私は青木陽登として生きるの!!!」

青木陽登の親は「あまりこういうことはしたくなかったが・・・」と言う。

青木陽登の親は笠松ヘラに拳銃を突きつけ言う。「エギョン、この子殺さないために帰りなさい」

青木陽登は仕方なく親の言うなりになった。

笠松ヘラは八木沢みおにこのことを言う。

八木沢みおは「愛海さんに伝えなきゃ」と言い、愛海にメールを打つ。


昼休み、愛海は八木沢みおに言う。「これだから、霊視して欲しいってこと?」

八木沢みおは「そう、だからお願い」と言い、黒血川愛海に土下座する。

郡上知美が来て言う。「そう言えば、ヘラちゃん拳銃を突きつけられただって?大丈夫だった?」

そこにクシャミをしながら笠松ヘラが来た。

笠松ヘラは「私は大丈夫ですよ。それより、ひとみちゃんを」と言い、青木陽登を心配している様子だった。

郡上知美は「愛海さん、お願いしていい?」

黒血川愛海は「わかりました」と言い、近隣地図を取り出した。

黒血川愛海は軽く手を切り、血を出す。

そして、近隣地図に五芒星を書く。

しばらくして黒血川愛海は言う。「車での移動中…木曽川の河川敷…そのあたりに向かっている」

笠松ヘラと、八木沢みおは自転車を走らせる。

黒血川愛海の書いた、地図を頼りにその場所へ向かった。

すると、青木陽登と青木陽登の親がいた。

八木沢みおは小声で笠松ヘラに「かなり、もめてるね…」と言う。

しかし、さっきまでとなりにいたはずの笠松ヘラがいなかった。

笠松ヘラはさっき銃を突きつけられた。青木陽登の親の元にいた。

笠松ヘラは「陽登ちゃんは、確固たる信念もって生きている。」

青木陽登の親は「娘をその名前で呼ぶのやめてもらえる?吐き気がする」

笠松ヘラは言う。「私は必ず、エギョンいや、陽登をあなたの元にいるより幸せにしてみせる」

エギョンの親は「あなたは命知らずですね」と言い。

笠松ヘラめがけて銃を撃つ。

笠松ヘラはそれをかわす。

青木陽登は「許さない・・・」と言い、自分の母親めがけて、銃を撃つ。

母親も銃弾が飛んでくるくらいなれている。

母と子の銃撃戦となる。

しばらくして、青木陽登の拳銃の弾が切れる。

青木陽登は逃げ場を失い。木曽川に飛び込む。

笠松ヘラはとっさに「陽登ちゃん!!」と言い、川に飛び込む。

青木陽登の母は「邪魔者は消えた」と言い、古い黒色のセドリック(130後期型)に乗り、その場を後にする。

ちょうど、そこに授業を終えて迎えの親の車で黒血川愛海が来た。

八木沢みおは「ヘラちゃん、このままじゃ死んじゃうよ・・・」泣きながら言う。

黒血川愛海は全てを察して、親に「ちょっと行って来る」と言い、川に飛び込む。

しばらくして、川底に沈む二人を見つける。

黒血川愛海は魔法で二人を浮上させて、川岸に引き上げる。

黒血川愛海は言う。「ヘラは生きてる。だから、車に乗せて」

八木沢みおは「わかりました」と言い、笠松ヘラを車に乗せた。

黒血川愛海は手を合せて言う。「残念だったわ。すでに死んでるわ…」

八木沢みおは言う。「蘇生してよ!!!愛海!!!!」

黒血川愛海は言う。「私も蘇生出来るか試したわ。だけど、この子には出来なかった…」

黒血川愛海は青木陽登の胸に手を当てて「この子、溺れる笠松ヘラに自分の肺の空気をあげて、力尽きているわ。最期にこんな私を、受け止めてくれありがとうって笠松ヘラに言いたいって」と言う。

黒血川愛海は「ヘラちゃんはこれだから生きていたのね。ありがとう。短い間だったけど・・・ひとみちゃん」と言う。

いつの間にか止んでいた雪が再び舞い出す。



次の日の下校中、笠松ヘラはボロボロのスーツを着た。

金髪ロングの青目の女性を見つけた。

笠松ヘラは思わず、「陽登ちゃん!!」と言い、抱きついてしまう。

その女性は、「私は陽登と言うのか・・・?」

すると破れた服から、英語で書かれた身分証明書が出てきた。

ヘラは言う。「ごめんなさい、人違いでした。」

その女性は、「これは、なんて・・・読むんですか?」と聞いてくる。

笠松ヘラは「キャサリン・ベーカーって書いてあります」と言う。

金髪青目の女性は「私の名前なのだろうか・・・?」

笠松ヘラは山県優菜に電話する。「記憶をなくした、文字の読めない外国人の女性を見つけたから、来て!」

山県優菜は「わかった、今から行く」って言い。電話を切る。

山県優菜は驚く。「本当に・・・陽登ちゃんにそっくりだね・・・」

一緒に来た、黒血川愛海は「名前はキャサリン・ベーカーで間違いなさそうね」と霊視した結果を伝える。

笠松ヘラは「しばらく、この町に居てよ」と言う。

キャサリン・ベーカーは「記憶が無いのです。どうしてここに居るのかすら分からないのです・・・」と言う。

笠松ヘラは「そんなの気にしないよ」と言う。

笠松ヘラは何かの穴を埋めるような感じで、キャサリン・ベーカーを家に連れ帰る。

笠松ヘラが居なくなったあと、山県優菜は黒血川愛海に話しかける。「ヘラちゃん。本当に陽登ちゃんが死んでそれで、ショックなんだろうね・・・」

そこに八木沢みおが来て言う。「ヘラちゃん、新しい娘お持ち帰り??」

山県優菜は「そうみたいだね・・・、なんかすごくショックらしくて・・・」

八木沢みおは悶絶する。「あああああああ、私もヘラちゃんにお持ち帰りされたいいいいいいいいいいいい」

黒血川愛海は「仮にそれが、穴埋めでも?」と言う。

八木沢みおは「かわいいは正義」と言った。

山県優菜たちは、おのおの帰り支度をし、帰って行った。


次の日。

終業式でようやくみんな待ちに待った、冬休みだ。


帰りの時間、笠松ヘラは郡上知美に話しかける。

「遅くなったけど、誕生日おめでとう」と言い、折り紙を渡す。

郡上知美は言う。「ありがとうねぇ、ヘラちゃん」

そこに、ちょうど山県優菜が来て、「私には誕生日プレゼントないの?」と言う。

笠松ヘラは山県優菜にも折り紙を渡した。

山県優菜は「あら、用意してたの・・・」と驚いた様子だった。

そこに八木沢みおが来て、「1月1には私の誕生日なんだけど?なんか、くれるの?」と言う。

郡上知美は「ずうずうしいな」と言う。

笠松ヘラは言う。「じゃあ、私の家で1月1日みおさんの誕生日パーティーをしましょ?そのときにみお先輩にはとびきりのプレゼントを差し上げすわ」

八木沢みおは「わぁー楽しみにしておくわ」と言い、その場を立ち去った。


1月1日。

笠松ヘラに家にみんなが集まる。

笠松ヘラは皆に「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」と言う。

ほかの皆も「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」と言う。

そして、笠松ヘラは「八木沢みお先輩、誕生日おめでとうー」と言う。

八木沢みおは言う。「あれー?プレゼントは?」

すると、笠松ヘラは八木沢みおにキスをする。

笠松ヘラは「これが、みお先輩への誕生日プレゼントです」と言う。

郡上知美は「毎年、これするつもり?」

益鷹香奈子は「ついにヘラちゃんまで」

山県優菜は「私のヘラちゃんが」

黒血川愛海は「ついにここまで来たか」

八木沢みおは突然のことで、驚きを隠せない様子だった。

直立したまま、八木沢みおは後ろに倒れていった。

皆が驚き、一斉に「大丈夫!!!」と八木沢みおに声を掛ける。

幸い、八木沢みおはすぐに目を覚ました。

笠松ヘラは「もうぉ、みお先輩動揺しすぎだよー」と言う。

おせちとケーキで八木沢みおの誕生日を祝った。

八木沢みおは「おなかいっぱいーもう食べられない・・・」

笠松ヘラは「結構食べましたもんね」と言った。

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