最終話【ヘルメス学院】Bパート
夜。フワリの部屋…
この時は、部屋の中に
電気がついてなくて…
月の光を頼りにしていた
そんな中、
茶色い制服を着たまま
あぐらをかいてる
コボルトのポチの
テーブル向かいで、
正座をする。
袖の大きい白い服の下に
赤い袴のようなものをはいた
黒く長い髪の少女の姿が
あった・・・。
その姿を見て、ポチが
「しかし、シルフィも
そうだけど…
みんな、
もみあげのところが
長いな。」
―――――――――――
…と、そう言えば…
その背中にとどくような
長い髪をしたその少女
鈴鹿も
「そうじゃな…
しかしな、ポチ殿。
おなごに対して
面と向かって、
そう話すのもどうかと
思うぞ。」
…と返すので、ポチが
「うぉふ?あっ…いや…
ごめん・・・」
そう言ってるあいだに
鈴鹿は、自分の前の
テーブルの上に
置いてあった
湯飲み椀を
左手に…
底の方を右手に持って
中のお茶を…ずず〜
と、飲むと…
鈴鹿御前
「うむ。
良いお手前であった…」
一人で満足して、
湯飲み椀をテーブルの上に置き
それからポチに…
鈴鹿御前
「それでポチ殿
試験の方は、
どうじゃった?」
今日やってきた。
試験の事を聞いてきたので…
ポチは、試験の内容を
「あ…いや…そうだな…
最初は、性格診断から
始まって・・・」
…と、
テーブルの向かいで
正座している鈴鹿に
話し始めた・・・。
ポチの話では…
性格診断の筆記が終わると…
一度、校舎の外に出て→
まず懸垂か
腕立てふせの二つのうち
どちらか選択したものを
選んで…
それをする必要がある
らしい・・・。
ポチ
「オレのような
亜人の場合・・・
懸垂なら7回以上…
腕立てなら40回以上が
合格ラインらしいんだけど…。」
もちろんポチは、
腕立てを49回して
これは、合格らしい…
ポチ
「次は、体力で
校庭を何周か、まわって
それを、
決められた一定の
時間内に走る事を
テストされたな…。」
これは、だいたい
2000メートルを
10分以内で走れれば…
まず合格らしい・・・。
ポチ
「その次は、
素早さを見るための
反復横とび…
これは、1分で20回以上
とぶ事が要求される。」
ちなみに、これは、
普通の人間なら…
15回以上で良いらしい…
そこまで聞いて、
鈴鹿は、
「ふむ。どうやらどれも
最低限の体力があれば…
合格できるものばかりじゃな…」
そう話をまとめると…
ポチは、
「まあ、そうだな…
次は、校舎の中に戻って
筆記試験なんだけど…」
…と、筆記試験について
話しはじめ・・・
ポチ
「筆記は、一般教養と
宗教について
書くんだけど・・・
宗教は、
自分の信じているものから…
得意なものまで…
好きなものを
選択できる・・・。」
そして、宗教の筆記は、
問題を解く事より、
むしろ感想を書く事が
要求されるらしい…
ポチ
「筆記は、
半分以上できれば
いいらしいんだけど…
宗教で書いた答えが、
どう点数に結びつくのか
わからないから、
予想できないんだよな」
ポチが、
そう不安を口にすると…
鈴鹿御前
「まあ、そなたは、
真面目そうであるから…
心配ないじゃろ。」
そう言ったあと…
さらに、鈴鹿が
「それで…問題は、
それで終わりなのか?」
…と、聞いてきたので…
ポチは、
「いや…最後に
もうひとつ、運をはかる
テストがあったな…」
鈴鹿御前
「運?」
…と、その言葉をくり返す鈴鹿に
ポチは、首を縦に振って
コクリと頷き
「トランプや麻雀などを
使って・・・
一時間で、
どのくらい良い手を出せるか…を
ためすみたいだ。」
ちなみに…
大きな手をだせば
高い点数を取れるようだが…
普通は、出しやすい手を
何度もだして、点数を
積み重ねていくのが
良いらしい・・・。
ポチ
「まあ、オレは、
トランプの
ブラックジャックを
選んで・・・
15から19あたりを何度も
出した…。」
ポチが、そう言うと…
鈴鹿は、口元に
左手の伸ばした4本の指の指先をそえて…
クスリと笑い
鈴鹿御前
「ブタを出さぬように
配慮するあたりが
そなたらしいの…」
おかげで強い手も出せぬ
ようじゃが…と、
鈴鹿は、
口元から左手を離し…
そのあと・・・
鈴鹿は、テーブルから
立ち上がって…
「まあ良い。これで、
ポチ殿の試験の事は、
妾にも理解できた…。
どれ、それでは、妾が
でざあと…と申すもの
でも作ってきてやろう」
だから待っておれ…と、
両手に持った、
ポチの使った皿の上に
湯飲み椀をのせて
部屋を出るのだった…。
―――――――――――
―――――――――――
それから…何日か
日にちが過ぎて→
夜。
青い月の光だけが照らす
フワリの家の居間で…
茶色い制服を着たポチが
テーブルの前で、
あぐらをかいて
座っていた…。
テーブルの上には・・・
火がついたロウソクを
上に乗せた
銀色のロウソク台の他に
きんとき豆のチリソース煮や…
トルティヤのグラタンなどの、
さまざまな料理が…
それぞれの入れ物の中に
入れられて、
置かれていた。
そこに…コップやら、
皿やら、湯飲み椀やら…
さまざまな
飲み物を入れたものを
乗せたお盆を、
両手で持った
鈴鹿がやって来て
鈴鹿御前
「今宵は、
ポチ殿の合格祝いじゃ。
遠慮せず、たくさん
食べると良いぞ。」
お皿は、ポチの前に、
それ以外の入れ物は、
自分の前に置いて…
それからお盆は、
自分の席の右横の方に
置くと…
ポチのテーブルの
向かいに正座して、
座りこんだ。
それから…ポチは、
テーブルの上に並ぶ…
いろんな料理を見て
「これ全部、鈴鹿が…」
・・・と、白い服の下に
赤い袴をはいた鈴鹿に
聞くと…
もみあげの方の黒髪が
胸にとどくくらい長い
鈴鹿は、
「いや…全部
シルフィの料理じゃ。」
妾は、料理を
はこんだだけじゃ…と、
ポチに話し…
ポチ
「うぉふ?」
鈴鹿御前
「いやな…
和食なら妾にも
作れるのじゃが…
ぱーてぃと申すものなら
異国の料理の方が
向いてると考えてな…
そこは、料理上手な
シルフィに
頼んだのじゃ…。」
理由をポチに話すと、
それに対してポチが
答える前に…
シルフィ
「そんな話は、あとで
いいでしょ…。
今は、ポチの合格を
祝って、パーティーを
はじめましょ。」
…と、鈴鹿の姿のままで
シルフィが話すので…
鈴鹿とポチは、
いただきます…を
してから…
料理を食べはじめた。
それから何分か経った、
食事中…
背中に、とどくくらい
髪の長い鈴鹿の姿のまま
鈴鹿とシルフィが…
鈴鹿御前
「しかし…
異国の料理というのも、
なかなかの美味じゃのう
和食しか知らぬ妾にも
作れるじゃろうか?」
シルフィ
「大丈夫よ。あたしは、
料理に手間をかけるのが
好きだけど…
簡単な料理の作り方も
知ってるから…
あとで教えてあげるわ」
鈴鹿御前
「おお!
それは、ありがたい。
では、
あとで教えてもらう事と
しようかの。」
それぞれの声に
切り替えながら
そんな話をしているうちに…
ポチは、
鈴鹿のテーブルの上に
並んでいる…
ブドウジュースと
日本茶と
キャロットジュースの
3種類のジュースを見て
ポチ
「それぞれの性格が、
でているな・・・」
どれが誰の飲み物なのか
わかるな…と、
ポチが考えている事に
気づいたのか・・・
鈴鹿が…
「妾は、本当は、
日本酒の方が
飲みたかったんだがの」
そうポチに話せば・・・
シルフィも
鈴鹿の姿のままで
「あたしも本当は、
ブドウ酒が
飲みたかったんだけど…
まぁフワリの身体がまだ
子供のものだからね…」
お酒の方を飲まない
理由を話すと…
それを気にしたのか…
フワリ
「ごめんね…鈴鹿ちゃん
シルフィちゃん・・・」
今度は、フワリが…
鈴鹿の姿を借りて、
そう言うので
鈴鹿は、自分の声で、
「気にいたすな・・・
いくら魔法使いでも
こればかりは、
どうしようも
ないからの。」
…と、
話をまとめるのだった。
そのあと・・・
ポチと鈴鹿は、
テーブルの上の料理を
手にとった箸や
スプーンなどを使って
食べつくし・・・
皿などの
料理の入れ物の中を、
ほとんど空に
すると・・・
鈴鹿が自分の着ている
巫装束の
衣装を見て
「しかし…かつて自分の
着ていたものが
特殊な店にいかぬと
買えぬ。という
状況は、どうにか
ならぬものかの…。」
…と、つぶやくように
そう話すので・・・
シルフィが
鈴鹿の姿を借りて
「何、贅沢
言ってるのよ。
あたしが着ていたもの
なんて…もう存在すら、
してないんだから…
ガマンしなさい。」
凛とした声で
そう話すので・・・
それまで話を聞いていた
ポチが…
「身体と同じように
服装とかも光を利用して
変えられない
ものなのか?」
…と、前に聞いた…
目に映る光を利用した
話をもってくると・・・
シルフィは、
鈴鹿の姿のまま
「それは、出来るわよ。
出来るけど…
身につけているものを
見た目だけ、変えたって
虚しく
なるだけじゃない…。」
テーブルの前で
正座をしたまま…
そう話し・・・
それを聞いて、ポチが
「でもシルフィは、
自分の姿になると…
リボンの位置を
変えるよな・・・」
ついでにリボンの
大きさも…と、
リボンの事を
指摘すると…
鈴鹿は、頬を
薄紅色
に染めて…
「そ…それと、
服装の話は、別なの!」
…と、シルフィの声で
話すのだった・・・。
そのあとも…シルフィは
鈴鹿の姿のままで
「じゃあ、そろそろ…
食器を片づけましょう。
あと、食器が片づけたら
洗いものは、あたしが
やるから・・・
ポチは、タオルを
濡らして、
テーブルの上を
拭いてね。」
お盆をテーブルの上に
置いたあと…
立ち上がりながら、
そう言って
それに対して、ポチも
立ち上がって…
空になった入れ物を
お盆の上に乗せながら…
「わかった。」
…と、答えると・・・
鈴鹿は、
空になった入れ物を
全部、お盆の上に乗せて
そのお盆を両手に持って
台所の方に歩くのだった…。
そして…そのあと→
鈴鹿の姿を借りた
シルフィが台所で
洗い終わった食器を…
全部、片づけると…
鈴鹿は、そこから…
自分の意識に戻り
そのあと、一度
フワリの部屋に
立ち寄ってから…
ポチのいる…
居間の方へ戻って
テーブルの前で、
正座しているポチに
鈴鹿御前
「ポチ殿…これから、
披露する舞は
妾からの贈り物じゃ。」
そう言って…
左手を振る事で、
いつの間にか左手に
持っていた
赤色の扇子を
バッと開き
その開いた扇子を
ひらひらと、動かしながら…
テーブルの前で正座する
ポチの見ている前で…
舞い踊る・・・
それは、
居間の中にいるのを
配慮してか…
足の動きが少ない
静かな舞だったが・・・
少し時間が経つと
それを見ていた
ポチの白黒の視界が、
ねじれるように
グニャリと曲がり…
ポチは…
鈴鹿の紡ぎだす
幻想の世界へと
入っていった・・・。
―――――――――――
ポチ
「こ…これは・・・」
緑の木や…
青や桃色などの…
色とりどりの花が広がる
その楽園で・・・
ポチが見たものは、
コボルトになってからの
白黒の視界では、無く…
過去、
人間だった時に見た…
たくさんの
世界の色だった・・・。
ポチ
(色を
感じてるんじゃない…
今。オレは、本当に
世界の色を見ている…)
太陽であるレナスの光が
まわりの緑の木の
上の方から射し込む、
その世界で・・・
???
「ポチ!」
ポチを呼ぶ声が聞こえる
ポチが
その声が聞こえた方へ
顔を向けると…
ポチ
「うおっ!」
白い服の下に
同じ色のスカートをはいた…
フワリが歩いてくる…。
だがポチが驚いたのは、
そのフワリを
はさんで歩く、
二人の娘を見たからで…
フワリの両隣を歩く
二人は、どちらも…
150センチくらいの身長で…
90センチのフワリより
あきらかに高かった…。
しかし…白黒世界と違う
色つきの世界とは、いえ
フワリ右隣を歩く娘は、
どう見ても…さっき、
現実の世界でも着ていた
巫装束の衣装を着た
鈴鹿に見えるし…
フワリの左隣を歩く娘は
緑色のブラジャーの
ような胸当ての下に…
白いミニスカートを
はいていた…が、
頭の左側の銀髪を
青いリボンで
まとめているところを
見ると・・・その娘は、
シルフィにしか
見えなかった…。
それから・・・
横に並んで歩いてくる…
その三人は、
ポチの3メートルくらい
手前で立ち止まると…
まず、鈴鹿らしき娘が
シルフィらしき娘の方を
見て…
「しかし…
何度か見ているが…
あいも変わらず
シルフィの衣装は、
露出がすごいの。
さあびす、という奴か」
…と、声をかけると…
やはりシルフィだった
サンダルをはいた、
その銀髪の娘は、
両腕で胸の方を隠しながら…
「し…仕方ないでしょ。
あたしが生きてた頃は、
この衣装が
普通だったんだもの…」
そう言うので…
今度は、現実世界と
同じように、
茶色い制服を着たポチが
「その両腕に書かれてる
緑色の紋様は、
なんなんだ?」
その事について
聞いてみる。
すると、現実世界より
少し大人になった姿の
シルフィは、
「ああ…精霊印の事ね。
昔、
連続して起こった台風に
よる大災害があってね…
それを当時の人々は、
精霊が怒っていると
思ったので…
精霊印を書いた、
あたしを
イケニエにして…
精霊の怒りを鎮めようと
したのよ。」
自分の両腕に
描かれた紋様の
事について話し
フワリの隣で、
その話を聞いていた
鈴鹿が
「なるほど…それで、
シルフィをイケニエに
捧げた人々が…
犠牲になった、そなたを
風の精霊の一部に
なったのだと信じて、
時が経つにつれ…
いつの間にか、
そなた自身が風の精霊と
同一視されるように
なった訳じゃな…」
そう話すと・・・
その鈴鹿の予想が
当たっていたのか…
シルフィ
「まぁ、
そんなところね…」
そう言って…シルフィも
頷くので、
その横で話を聞いていた
フワリが…
「イケニエかあ…
フワリには、出来ないな
だって・・・死んだら
ポチに会えないもん…」
つぶやくように
そう話すと…
その隣で…シルフィは、
口元を左手で、ふさいで
クスクス笑ってから…
口元から左手を離し…
「まぁ、いろんな
価値観があるという事よ
確かに、あの当時
あたしは、
イケニエに選ばれて、
幸せだと思ったけど…
それは、あたしの考えで
あって…
別に、あんたがあたしと
同じ考えになる
必要なんかないのよ。」
そう言ったあとで・・・
シルフィ
「じゃあ、あたしの話は
これくらいで、
いいでしょ。」
…と、そう話をまとめて
それからポチに、
「じゃあ、ポチ。
もうちょっと、下がって
くれないかな…。」
・・・と、声をかけて
ポチ
「うぉ…いや…ああ…
わかった…。」
ポチが3歩くらい
うしろに下がって…
シルフィ、フワリ、
鈴鹿の三人から…ポチが
5メートルくらい
距離をとると・・・
鈴鹿、シルフィ、
フワリの三人は…
左手を上の方に伸ばして
広げた左の手の平を
空に向かってかざすと…
その三人の
左の手の平の上に、突然
強い光が現れ…
その光と共に・・・
鈴鹿の上には、
銀色の扇子が…
シルフィの上には、
金色の竪琴
が現れて…
フワリ
「フワリだけ…なんで
トライアングル?」
…などという
フワリの不満をよそに、
三人は、
一瞬の光と共に出現した
それらの道具を
その手にとると…
鈴鹿は、
左手を振る事で
その左手に持った扇子を
バッ…と開いて
そのあと・・・フワリに
「ところで…フワリは、
他の人格にも
呼びかけたのかの?」
…と、聞いてきたので
フワリは、
右手でつまんだヒモに…
三角形の鉄の棒を
つり下げて…
左手で、それを鳴らす
鉄の棒を持ちながら…
「うん。
呼んではみたけど…
鈴鹿ちゃんと
シルフィちゃんの他は、
どの人格も、まだ
ポチが会ってないし…
それで、
お祝いをするのは、
変だろうって事で…」
そこまで言うと…
鈴鹿も、
「うむ。確かに
会ってもいないのに…
いきなり、この世界で
姿を見せるというのも
変な話だしの…」
そう言って、納得し…
―――――――――――
それまで…フワリの隣で
二人の話を聞いていた
シルフィが小さな竪琴を
右腕に抱えて
「鈴鹿…」
…と、呼びかけると、
鈴鹿は…
「うむ。そうじゃな…」
…と、
フワリとシルフィの
前に出て・・・
鈴鹿御前
「では、ポチ殿…
これからが
真の妾達の
贈り物じゃ。」
…と、ポチに呼びかけ
シルフィの竪琴の音色と
共に…
開いた銀色の扇子を、
ひらひら動かしながら、
舞を舞い始めた・・・。
それからというもの…
シルフィが左手の指先で
右手に抱えた
竪琴の弦を弾いて
鮮やかな音色を
奏でれば…
―――――――――――
鈴鹿が、
その音色に合わせて
ひらひらと扇子を動かし
舞い踊る…。
―――――――――――
さらに…
それに合わせて
フワリが
右手につり下げた
三角形の鉄棒に、
左手に持った
小さな鉄棒を打って…
チーン…という音を、
何度も奏でながら…
歌を口ずさみ
―――――――――――
その三人を
少し離れた場所で、
見ていたポチの胸に…
ポチ
(なんだろうな…この
あたたかい気持ちは…)
おだやかで、どこか
なつかしい…不思議な
気持ちが広がっていた…
そして…現実世界では…
―――――――――――
茶色い制服を着たポチが
テーブルの近くで、
横になって寝ていた…。
そこに…たたんである
大きなタオルを
両手に持った
フワリが現れ…
しゃがんでから、
横になってるポチに
両手に持った
大きなタオルを
広げてから…かけると、
フワリは、
ポチの犬のような額に…
そ〜と…キスをして、
「お休みなさい…ポチ
いい夢を…」
寝ているポチに、
そう言うと・・・
巫装束を着た
フワリは、立ち上がって
夜の居間を出るのだった…。
【第7話〜終】